筋肉はどんな指令で動くの?|運動神経と感覚神経

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「運動神経と感覚神経」に関するQ&Aです。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

筋肉はどんな指令で動くの?

私たちは、歩いたり、しゃべったり、手を振ったり、絵を描いたりと、骨格筋を自在に動かして生活しています。筋を収縮または弛緩させているのは運動神経です。

 

しかし、運動神経が勝手に筋を収縮させるわけではなく、収縮せよと命じる存在がいます。それが、脊髄の中枢です。 

 

例えば、テーブルの上にあるジュースを飲もうとする時、実際の動きだけを見れば、手を前に伸ばしてコップを取り、口に持っていくという行為に過ぎません。しかし、実はこうした動きの背後に、神経のネットワークの存在が隠れています。 

 

まず、コップを手に取るためには、眼という感覚器で位置を確かめなければなりません。ただ闇雲に手を伸ばしたのでは、コップをひっくり返してしまうからです。この視覚情報は、脳や脊髄にある中枢に伝えられます。連絡役は末梢神経の1つである感覚神経です。感覚神経は、眼、皮膚などの感覚器と中枢神経をつないでいます。 

 

感覚神経から情報を得た脳や脊髄は、これくらい手を前に伸ばせばコップをつかむことができる。そのためには、この筋肉とあの筋肉を収縮させ、こっちの筋肉は弛緩させようと判断し、指令を出します。連絡役は運動神経です。運動神経は骨格筋につながっており、中枢からの指令を忠実に実行することで、コップを手に取り、ジュースを飲めるのです。 

 

このように、私たちの体には神経のケーブルが張り巡らされています。

 

体からの情報を伝えるルートが感覚神経(感覚器→中枢)、中枢からの指令を伝えるルートが運動神経(中枢→骨格筋)です。感覚神経を求心性神経というのに対し、運動神経を遠心性神経ともいいます。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

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