第100回 午後18問

解答・解説

1.　マグネシウム

マグネシウムは無尿時には体内に溜まる可能性があり、高マグネシウム血症では血圧低下・心電図異常・嘔吐などが起こる。無尿時に補充されると安全であるとはいえないがカリウムよりは緊急性が低い。

2.　ナトリウム

ナトリウムは糸球体で濾過されるが、ほとんどが腎臓の尿細管と集合管で再吸収されるため、排泄されるのはわずかである。したがって無尿時の投与が禁忌とまではいえない。

3.　クロール

クロールは糸球体で濾過されるが、ほとんどが腎臓の尿細管で再吸収されるため、排泄されるのは1％程度である。したがって無尿時の投与が禁忌とまではいえない。

4.　カリウム

カリウムイオンは細胞外液に比べて細胞内液での濃度が高い。細胞外液である血漿で4mEq（ミリ当量）/L程度、細胞内液では150mEq/L程度である。腎不全などによってカリウムの排泄ができなくなると高カリウム血症となり、心筋の興奮性が上昇して致死性の不整脈や心停止の恐れがある。腎機能が低下している状態、無尿の状態に対してカリウムの補充は禁忌である。

カリウムを補充する際の注意点は、無尿時の投与が禁忌であることと、静脈内に投与するときには必ず希釈することである。