【ツナ看流】看護記録「SOAP」の書き方と例文!看護学生向けに解説

とある昼下がり。
ツナ看の勤務する病棟に看護実習生が来ていた…
ツナ看ちょ、学生さん、どうしたの…?
(顔がえらい土色なんだが…)

すみません…
休憩時間にSOAPを書いてたんですが…全然わからなくて…
先生に怒られちゃう…ブツブツ…
ツナ看ちょっと落ち着きや…
基礎からおさらいしよっか。
30秒でわかる!看護記録のSOAPとは?

SOAPとは、患者さんの状態や今後の計画を、①主観的情報(Subject)、②客観的情報(Object)、③評価(Assessment)、④計画(Plan)で整理して記録する方法です。
ツナ看がコツを伝授!SOAP形式の看護記録の書き方

SとOはなんとかできるんですけど、Aになると手が止まってしまって…
ツナ看わかるよ〜。何から手をつけていいか、わかんないんだよね…
ツナ看せっかくの実習だし、わかりやすくまとめたいよね。
SOAPの書き方のコツを「発熱している患者さん」の事例で解説していくから、一緒にやってみよう!
【事例】
Aさん(男性、83歳)。
午前9時の訪室時、「なんか今日、暑いな」と発言あり。
体温は37.8℃で、顔が赤く、額に汗がにじんでいる。
「咳はないけど、喉が痛い」と話し、鼻をすすっていた。
●今朝の採血結果
WBC:10,000/μL、CRP:0.8mg/dL
SOAP形式の看護記録は、次の4ステップでまとめます。
❶S情報をピックアップする
❷O情報をピックアップする
❸S・O情報をもとに、片っ端からアセスメント(A)する
❹プラン(P)を書く
1つずつ整理していきましょう。
①S情報をピックアップする
S情報には、患者さんや家族が話した言葉をそのまま書きます。
「〜と話す」「〜とおっしゃった」は記載しません。
| 【S情報】 S-1)「なんか今日、暑いな」 S-2)「咳はないけど、喉が痛い」 |
②O情報をピックアップする
O情報には、患者さんの情報や自分が見た状況、検査データなど事実をピックアップします。
| 【O情報】 O-1)男性、83歳 O-2)体温:37.8℃ O-3)顔が赤い。 O-4)額に汗がにじんでいる。 O-5)鼻をすする様子あり。 O-6)WBC:10,000/μL O-7)CRP:0.8mg/dL |
主観が入っていないか要注意!
「苦しそう」「不機嫌そう」「楽しそう」といった自分の主観(解釈)は、O情報には入れないようにしましょう。
✕(主観):苦しそうにしている
〇(客観):眉間にしわを寄せて、腹部を押さえて身をかがめている
自分が「見て、聞いて、触れて分かった事実」をそのまま記録するよう意識しましょう。

ツナ看学生さんの場合、「必要な情報」「着目すべき情報」がどれか悩むと思います。
ちょっと面倒だけど、「片っ端から、ザーーーッと情報をピックアップして、後から分ける」と、漏れなく看護記録が書けるのでオススメ!

③S・O情報をもとに、片っ端からアセスメント(A)する

ここからなんです!!何から手をつければいいのか…
ツナ看「A」は慣れないと難しいんだよね。
アセスメントのコツは、2回のStepに分けて整理することだよ!

【Step1】「3つの問い」に対して、思いつくことを書き出す
スマホにメモする感覚で、「3つの問い」に箇条書きで答えていきましょう。
「きれいな文章」で書こうとしなくてOK!
問い1:今、何が起きている?(正常か異常か)
S情報・O情報から、患者さんの状態や属性(年齢など)、検査値などをピックアップして、「正常」か「異常」かを評価します。
| 【S情報・O情報】 S-2:「咳はないけど、喉が痛い」 O-1:男性、83歳 O-2:体温:37.8℃ O-6:WBC:10,000/μL O-7:CRP:0.8mg/dL ※基準値の目安:WBC: 3,300〜8,600/μL、CRP 0.14mg/dL以下 |
| 【上記を踏まえたアセスメント(A)】 ・喉の痛み(S-2)がみられている状態。⇒異常 ・体温37.8℃(O-2)で、基準値(37.5℃)を超えて発熱(異常)している状態。⇒異常 ・WBC:10,000/μL(O-6)、CRP:0.8mg/dL(O-7)で、基準値を超えている。⇒異常 |
問い2:なぜ、それが起きている?(原因を探る)
「S情報とO情報の原因は、これじゃないか?」と、予想できるものをピックアップします。
患者さんによっては既往歴にも注意しましょう。
Aさんは「咳・喉の痛み・鼻汁=上気道(呼吸器)の症状」が見られるので、原因と推測していきます。
| 【S情報・O情報】 S-1:「なんか今日暑いな」 S-2:「咳はないけど、喉が痛い」 O-2:体温:37.8℃ O-3:顔が赤い。 O-4:額に汗がにじんでいる。 O-5:鼻をすする様子あり。 O-6:WBC:10,000/μL O-7:CRP:0.8mg/dL |
|
【上記を踏まえたアセスメント(A)】 |
問い3:これからどうなりそう?(未来の危険と対策)
S情報とO情報から、「現在の状態が続いた場合のリスクと対応」を考えていきます。
| 【S情報・O情報】 O-1:男性・83歳 O-2:体温:37.8℃ O-4:額に汗がにじんでいる。 |
| 【上記を踏まえたアセスメント(A)】 ・発熱(O-2)や発汗(O-4)が続くと、体力の消耗や不快感が持続するリスクがある。 ・高齢(O-1)で免疫力が低下しているため、感染症悪化による「敗血症」のリスクがある。 ・今後、バイタルサインや呼吸状態の変化に注意して観察していく必要がある。 |
情報が足りなくても焦らない!
ツナ看「発熱してるけど、喉の痛みがあるか聞けてない…」
「採血データを見てない…」など、情報が不足することがあるよね。
ツナ看が学生のときは…
「発熱の原因は●●●の情報が不足しているため、現時点では判断できず。感染症状の有無や検査データの情報を収集していく必要がある」とアセスメントして、プランに今後の観察項目を記載していたよ。

【Step2】重複したアセスメントをまとめ、順番を整える
Step1で書き出した内容から似たものを合体し、語尾を「〜と考えられる」「〜のリスクがある」などの記録用の言葉に整えれば完成!
ツナ看「WBC、CRP→高い→炎症反応」「咽頭痛、鼻汁→呼吸器感染症」のように、
同じ結論に至っているものや、関連が強いアセスメントは文章を合体!
| 【整理したアセスメント(A)】 ①今、何が起きている?(正常か異常か) A-1) 体温37.8℃であり、発熱している状態である。 ②なぜそれが起きている?(原因を探る) A-2) 体温上昇に伴う、体の熱感・発汗・顔面紅潮が観察され、発熱に伴う症状と考えられる。 A-3) 今朝の採血にてWBC・CRPが基準値より高く、体内で炎症反応が起こっていると思われる。 A-4) 咽頭痛や鼻汁の症状もみられることから、呼吸器系の感染症(上気道炎など)に罹っている可能性が高い。 ③これからどうなりそうか?(未来の危険と対策) A-5) 体の熱感や発汗により、体力の消耗や不快感が続く可能性がある。 A-6) 高齢であり、免疫力の低下による感染症悪化によって敗血症のリスクがあるため、バイタルサインや呼吸状態の変化に注意し観察していく必要がある。 |
※慣れないうちは箇条書きがオススメ!
学校から「文章で書く」よう指導された場合は、「〜のため」などの言葉でつなげてまとめよう。
ツナ看ちなみに…アセスメントの文章の終わり方って、毎回困りませんか?
ツナ看は「〜と考えられる」「〜と予想される」「〜と思われる」「〜の可能性がある」「〜の状態が示唆される」などなど…言葉を使い回してたよ…内緒だからね…ククク…
④プラン(P)を書く
アセスメント(A)から考えたことや、これから行う観察やケア、リスクへの対策を書きます。
「です・ます」などの口語体(話し言葉)は使用しないようにしましょう。
この事例のプランでは、次の2点がポイントになります。
❶発熱はバイタルサインの異常なので報告する。
❷アセスメントで発汗や体の熱感による不快感について記述したので、自分ができるケアや提案を書く。
| 【プラン(P)】 P-1)指導者、担当看護師へ現在の状態を報告。 P-2)発汗に対して、不快感軽減のため清拭や更衣介助を提案。 P-3)体の熱感に対して、希望があれば冷罨法を実施。 P-4)バイタルサイン、呼吸状態の変化を観察。 |
ツナ看今後重症化リスクがあるので、必要な観察項目を参考書などで調べて事前にプランに盛り込んでおくのも◎
「呼吸器感染症」「敗血症」などで調べれば、「咳嗽の有無や頻度」「痰の有無や性状」「安静時の呼吸回数」…色々出てくるハズ!
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発熱しているAさんのSOAP形式の看護記録例
| S | -1)「なんか今日、暑いな」 -2)「咳はないけど、喉が痛い」 |
| O | -1)男性、83歳 -2)体温:37.8℃ -3)顔が赤い。 -4)額に汗がにじんでいる。 -5)鼻をすする様子あり。 -6)WBC:10,000/μL -7)CRP:0.8mg/dL |
| A | -1)体温37.8℃であり、発熱している状態である。 -2) 体温上昇に伴う、体の熱感・発汗・顔面紅潮が観察され、発熱に伴う症状と考えられる。 -3) 今朝の採血にてWBC・CRPが基準値より高く、体内で炎症反応が起こっていると思われる。 -4) 咽頭痛や鼻汁の症状もみられることから、呼吸器系の感染症(上気道炎など)に罹っている可能性が高い。 -5) 体の熱感や発汗により、体力の消耗や不快感が続く可能性がある。 -6) 高齢であり、免疫力の低下による感染症悪化によって敗血症のリスクがあるため、バイタルサインや呼吸状態の変化に注意し観察していく必要がある。 |
| P | -1)指導者、担当看護師へ現在の状態を報告。 -2)発汗に対して、不快感軽減のため清拭や更衣介助を提案。 -3)体の熱感に対して、希望があれば冷罨法を実施。 -4)バイタルサイン、呼吸状態の変化を観察。 |

ちょっとコツがわかったので、どうにか看護記録がまとめられそうです…
とりあえず、ホッとしました…
ツナ看よかった!
覚えておいてほしいのは「完璧じゃなくても大丈夫」ということ!
アセスメントは人によって解釈が違うこともあるから、看護師も悩むことがいっぱいあるよ。
手元にある情報から「判断できること」「足りないもの」を考えることが大事だから、「どう考えたか」が先生や指導者さんに伝わるよう頑張ってね!
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ケース別 SOAP形式の看護記録例
ケース1 転倒転落リスクがあるBさん
Bさん(男性、80歳)。
右人工股関節全置換術後3日目。
訪室時、「リハビリの先生が優しくてさ、車椅子の練習も頑張ってるよ。でも、動くとまだ痛いんだよな」との発言あり。
創部は軽度の発赤あり、腫脹なし。
ガーゼには、少量かつ陳旧性の出血(時間が経過した出血)が付着していた。
トイレ利用時は、車椅子への移乗・移動に介助を要するためナースコールを使用。
転倒転落リスクがあるBさんのSOAP形式の看護記録例
| S | -1)「動くとまだ痛いんだよな」 |
| O | -1)男性、80歳 -2)右人工股関節全置換術後3日目。 -3)創部は軽度の発赤あり、腫脹なし。 -4)ガーゼには少量かつ陳旧性の出血付着あり。 -5)トイレ利用時はナースコールを使用し、車椅子への移乗・移動に介助が必要。 |
| A | -1)創部に感染兆候はなし。 -2)ナースコールを有効に使用できており、危険行動はみられず。 -3)手術による侵襲のため、創部痛を生じている。 -4)筋力・運動機能の低下、動作時の疼痛により、移乗・移動時に転倒リスクがある。 -5)高齢、痛みの持続、術後3日目のため術後せん妄リスクが高く、不意の離床による転倒に注意が必要。 |
| P | -1)疼痛の程度を確認し、必要に応じて頓服の鎮痛剤を使用して疼痛コントロールを図る。 -2)今後も継続して離床の際はナースコールを使用してもらうよう声かけをし、車椅子への移乗・移動の介助を行って転倒を予防する。 -3)せん妄症状の有無(見当識障害、幻覚、幻聴、辻褄の合わない発言や行動、不眠など)を観察する。 |
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SOAP記録の書き方の詳しい手順はこちら
①②S情報とO情報をピックアップする
| 【S情報・O情報】 S-1)「動くとまだ痛いんだよな」 O-1)男性、80歳 O-2)右人工股関節全置換術後3日目。 O-3)創部は軽度の発赤あり、腫脹なし。 O-4)ガーゼには少量かつ陳旧性の出血付着あり。 O-5)トイレ利用時はナースコールを使用し、車椅子への移乗・移動に介助が必要。 |
③S・O情報をもとに、片っ端からアセスメント(A)する
【Step1】「3つの問い」に対して、思いつくことを書き出す
問い1:今、何が起きている?(正常か異常か)
| 【S情報・O情報を踏まえたアセスメント(A)】 ・創部に軽度の発赤が見られるものの、新たな出血や腫脹はなく、術後3日目であることから、創部の状態としては正常範囲内であると考えられる(O-2、O-3、O-4)。 ・トイレの利用時、ナースコールを使用していて、危険行動はなし。認知機能は正常(O-1、O-5)。 |
問い2:なぜ、それが起きている?(原因を探る)
| 【S情報・O情報を踏まえたアセスメント(A)】 ・手術の侵襲によって炎症反応が起こり、創部の痛みや発赤が生じていると考えられる(S-1、O-3)。 ・術後3日目なので、術後に予測される範囲内の痛み(生理的な疼痛)と考えられる(S-1、O-2)。 |
問い3:これからどうなりそう?(未来の危険と対策)
| 【S情報・O情報を踏まえたアセスメント(A)】 ・高齢(O-1)であり、筋力低下や運動機能の低下により転倒リスクが高い。 ・移乗動作時(O-5)に創部の疼痛があり、転倒リスクがある。 ・痛みの持続(S-1)は、動作時のふらつきにつながり、転倒リスクがある。 ・痛みの持続(S-1)、高齢(O-1)、術後3日目(O-2)は、術後せん妄を引き起こす要因。 ・術後せん妄を引き起こすと、自力で離床されるなどの危険行動が予想され、転倒につながる可能性がある。 |
ツナ看実習中、患者さんが安静時の強い痛みや日が経っても強い痛みを訴える場合、創部に感染兆候が見られた場合は「異常の可能性あり」とアセスメントしましょう!
【Step2】重複したアセスメントをまとめ、順番を整える
Step1の「手術による痛み」「創部も痛みの具合は正常だが、痛みやせん妄を引き起こす要因があるから、転倒の危険がある」などを踏まえて整理します。
| 【整理したアセスメント(A)】 ①今、何が起きている?(正常か異常か) A-1)創部に感染兆候はなし。 A-2)ナースコールを有効に使用できており、危険行動はみられず。 ②なぜそれが起きている?(原因を探る) A-3)手術による侵襲のため、創部痛を生じている。 ③これからどうなりそうか?(未来の危険と対策) A-4)筋力・運動機能の低下、動作時の疼痛により、移乗・移動時に転倒リスクがある。 A-5)高齢、痛みの持続、術後3日目のため術後せん妄リスクが高く、不意の離床による転倒に注意が必要。 |
④プラン(P)を書く
アセスメントを踏まえ、「転倒リスク」「痛み」「せん妄」に対してプランを記載します。
| 【プラン(P)】 P-1)疼痛の程度を確認し、必要に応じて頓服の鎮痛剤を使用して疼痛コントロールを図る。 P-2)今後も継続して離床の際はナースコールを使用してもらうよう声かけをし、車椅子への移乗・移動の介助を行って転倒を予防する。 P-3)せん妄症状の有無(見当識障害、幻覚、幻聴、辻褄の合わない発言や行動、不眠など)を観察する。 |
「術後感染リスク」はアセスメントに書かなくていいの?
ツナ看「術後3日目」は感染リスクが高い期間なので、「感染を起こすリスクあり」とアセスメントすることは間違っていません。
ただし今回は、「転倒転落リスク」に絞った看護記録なので省略してOK!
創部感染については「#術後感染」など、別の看護計画を作成すると思うので、分けて書くほうがスマートです!
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ケース2 術後感染の疑いがあるCさん
Cさん(男性、54歳)。
右上腕骨遠位端骨折に対して、観血的整復固定術を行い術後5日目。
訪室時、「昨日は同室の人のイビキが少し気になって、なかなか寝付けなくてさ。それになんか昨日の夜から痛み止めが全然効かなくて、傷のところが熱い気がする」と発言あり。
創部の周囲には軽度の発赤と熱感があり、ネバネバした黄色っぽい液体がガーゼ全体に付着していた。
●検温・採血の結果
体温:37.6℃、WBC:11,000/μL、CRP:3.2mg/dL
術後感染の疑いがあるCさんのSOAP形式の看護記録例
| S | -1)「なんか昨日の夜から痛み止めが全然効かなくて、傷のところが熱い気がする」 |
| O | -1)男性、54歳 -2)体温:37.6℃ -3)観血的整復固定術を行い術後5日目。 -4)WBC:11,000/μL、CRP:3.2mg/dL -5)創部の周囲に軽度の発赤と熱感あり。 -6)ガーゼに粘稠性のある黄色の浸出液が付着。 |
| A | -1)体温37.6℃の発熱があり、創部に熱感・発赤・黄色の浸出液を認める異常(炎症反応)な状態である。 -2)術後5日目は吸収熱の時期は過ぎており、術後感染を起こすリスクが高い時期である。WBCとCRPの上昇、創部疼痛の増強、創部の発赤・熱感、黄色の浸出液を認めることから、創部感染を起こしている可能性が高い。 -3)感染の状態が持続した場合、創部の治癒が遅延するリスクがある。 -4)創部の感染は治癒を遅延させるリスクがあるため、速やかに指導者・担当看護師へ報告する必要がある。 |
| P | -1)実習指導者に報告した後、主治医に報告。 -2)創部の状態(発赤・熱感・浸出液の量や性状)とバイタルサインを継続観察。 |
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SOAP記録の書き方の詳しい手順はこちら
①②S情報とO情報をピックアップする
Cさんは「なかなか寝付けなかった」と発言していますが、ここでは「術後感染の疑い」という看護問題に絞ってピックアップします。
| 【S情報・O情報】 S-1)「なんか昨日の夜から痛み止めが全然効かなくて、傷のところが熱い気がする」 O-1)男性、54歳 O-2)体温:37.6℃ O-3)観血的整復固定術を行い術後5日目。 O-4)WBC:11,000/μL、CRP:3.2mg/dL O-5)創部の周囲に軽度の発赤と熱感あり。 O-6)ガーゼに粘稠性のある黄色の浸出液が付着。 |
ツナ看事例文の「ネバネバした黄色っぽい液」はあいまいな表現なので、そのままO情報として書き出すのはNG!
誰が見ても状態が伝わるように「粘稠性のある黄色の浸出液」と書こう。
③S・O情報をもとに、片っ端からアセスメントする
【Step1】「3つの問い」に対して、思いつくことを書き出す
問い1:今、何が起きている?(正常か異常か)
| 【S情報・O情報を踏まえたアセスメント(A)】 ・痛みの増強と発赤・熱感、黄色の浸出液があり(S-1、O-5、O-6)、創部に炎症の兆候がある。 ⇒異常 ・体温が37.5℃以上(O-2)であり、発熱している状態。 ⇒異常 |
問い2:なぜ、それが起きている?(原因を探る)
| 【S情報・O情報を踏まえたアセスメント(A)】 ・術後48時間以上経過しており(O-3)、手術侵襲による吸収熱の時期は過ぎている。 ・術後3〜7日目までは、術後感染が起こりやすい期間(O-3)である。 ・WBCとCRPがいずれも基準値より高く(O-4)、創部の症状(O-5、O-6) を踏まえると、感染が起きている可能性が高い。 |
問い3:これからどうなりそう?(未来の危険と対策)
| 【S情報・O情報を踏まえたアセスメント(A)】 ・感染の状態が続いた場合、創部の治癒が遅延するリスクがある。 ・創部の感染は、治癒を遅延させるリスクがあるため、指導者・担当看護師への報告が必要と考えられる。 |
【Step2】重複したアセスメントをまとめ、順番を整える
Step1の「発熱」「創部の異常があり、感染の可能性がある」という点を踏まえて整理します。
|
【整理したアセスメント(A)】 |
④プラン(P)を書く
感染は重大な術後合併症なので、まずは主治医に報告するのが最優先!
そして、継続的な観察や医師の指示に基づくケアがあればプランに記載します。
|
【プラン(P)】 P-1)実習指導者に報告した後、主治医に報告。 |
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ケース3 便秘のDさん
Dさん(女性、70歳)。
細菌性肺炎にて入院し、抗生剤点滴治療中。
訪室時、排便や活動状況について確認したところ、眉間にしわを寄せて次の発言あり。
「排便?最後に出たのは4日前かな。コロコロでちょっとしか出なかったわ。
それに、点滴をしていて動きにくいし、ほとんど動けてないのよね。
そうそう!昨日出してもらった痰切りの薬が大きくて、とっても飲みづらかったわ〜」
●観察・フィジカルアセスメントの結果
腸蠕動音微弱、腹痛はなし。
便秘のDさんのSOAP形式の看護記録例
| S | -1)「最後に出たのは4日前かな。コロコロでちょっとしか出なかったわ」 -2)「点滴をしていて動きにくいし、ほとんど動けてないのよね」 |
| O | -1)女性、70歳。 -2)細菌性肺炎で入院し、抗生剤点滴治療中。 -3)腸蠕動音微弱。 -4)腹痛なし。 -5)眉間にしわを寄せる表情。 |
| A | -1)4日間排便がなく便性状も硬いこと、腸蠕動音微弱であることから便秘が生じている。 -2)現時点で腹痛はなく、重篤な状態には至っていない。 -3)高齢であり、加齢による内臓機能の低下が便秘の要因の1つと考えられる。 -4)点滴治療中であり、 活動量の低下が腸蠕動の低下を招いていると考えられる。 -5)便性状が硬いことから、水分摂取量の不足が予想される。(1日の水分摂取量について聞き取りができていないため、今後情報収集する必要あり) -6)活動量の減少が、便秘の要因になることをDさんが理解していない可能性がある。 -7)便秘が持続した場合、腹痛などの苦痛症状が生じ、さらなる活動量低下に陥るリスクがある。 -8)便が腸内を塞いだ場合、糞便性イレウスを引き起こす可能性がある。 |
| P | -1)1日の食事量・水分摂取量について、情報収集・確認する。 -2)情報収集の結果を踏まえ、1日1,000〜1,500mLを目安とした水分摂取を促す。 -3)動作時にゆとりをもたせるために、点滴ルートの長さや固定位置を調整する。 -4)日中の活動が便秘予防になることを説明し、体調に応じた離床を促す。 -5)腸蠕動の促進のために、温罨法や腹部マッサージを実施する。 -6)腹部症状(腹部膨満感や腹痛の有無、食欲低下)および排便・排ガスの有無を継続して観察する。 |
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SOAP記録の書き方の詳しい手順はこちら
①②S情報とO情報をピックアップする
Dさんは「薬剤の大きさへの不満」を発言していますが、ここでは「便秘」という看護問題に絞ってピックアップします。
|
【S情報・O情報】 S-1)「最後に出たのは4日前かな。コロコロでちょっとしか出なかったわ」 |
③S・O情報をもとに、片っ端からアセスメント(A)する
【Step1】「3つの問い」に対して、思いつくことを書き出す
問い1:今、何が起きている?(正常か異常か)
| 【S情報・O情報を踏まえたアセスメント(A)】 ・4日間排便なし(S-1)で便がコロコロなので、便秘の状態。 ⇒異常 ・腸蠕動音微弱(O-3)であり、腸の動きが弱まっている(O-3)。 ⇒異常 ・腹痛はなく(O-4)、重症化していない。 ・眉間にしわを寄せている(O-5)ので、何らかの不快感や苦痛がある(O-5)。 ⇒異常 ※Dさんから明確な訴えがなく、腹部不快感があるとは断定できないため、アセスメントでは省略 |
問い2:なぜ、それが起きている?(原因を探る)
| 【S情報・O情報を踏まえたアセスメント(A)】 ・コロコロ便という表現から、ブリストルスケールは1と思われ、水分摂取量不足の可能性あり。 ・点滴ルートがあるので動きにくく(S-2)、活動意欲の低下や日中の活動量の減少につながっている。 ・活動量の減少(S-2)も、便秘の原因の一つであることをDさんが知らない可能性がある。 ・腸蠕動音が微弱(O-3)である原因として、加齢(O-1)による内臓機能(腸蠕動)の低下や、日中の活動量の低下(S-2)が考えられる。 |
問い3:これからどうなりそう?(未来の危険と対策)
| 【S情報・O情報を踏まえたアセスメント(A)】 ・便秘が続く(S-1)と、腹痛や食欲低下、腹部膨満感、倦怠感などの苦痛が増す可能性がある。活動意欲の低下にもつながる。 ・便が腸内を塞いだ場合、糞便性イレウスを起こす可能性あり。 |
【Step2】重複したアセスメントをまとめ、順番を整える
Step1の「活動量の低下や水分不足による便秘」「本人の知識不足」「点滴ルートの調整」などを踏まえて整理します。
| 【整理したアセスメント(A)】 ①今、何が起きている?(正常か異常か) A-1)4日間排便がなく便性状も硬いこと、腸蠕動音微弱であることから便秘が生じている。 A-2)現時点で腹痛はなく、重篤な状態には至っていない。 ②なぜそれが起きている?(原因を探る) A-3)高齢であり、加齢による内臓機能の低下が便秘の要因の1つと考えられる。 A-4)点滴治療中であり、 活動量の低下が腸蠕動の低下を招いていると考えられる。 A-5)便性状が硬いことから、水分摂取量の不足が予想される。(1日の水分摂取量について聞き取りができていないため、今後情報収集する必要あり) A-6)活動量の減少が、便秘の要因になることをDさんが理解していない可能性がある。 ③これからどうなりそうか?(未来の危険と対策) A-7)便秘が持続した場合、腹痛などの苦痛症状が生じ、さらなる活動量低下に陥るリスクがある。 A-8)便が腸内を塞いだ場合、糞便性イレウスを引き起こす可能性がある。 |
④プラン(P)を書く
アセスメントから整理した「水分摂取不足」「活動量の減少」「腸蠕動の低下」「便秘予防に関する理解(知識不足)」に対して、プランを記載します。
|
【プラン(P)】 P-1)1日の食事量・水分摂取量について、情報収集・確認する。 |
アセスメント(A)とプラン(P)が被らない看護記録のコツ
ツナ看Aは「〜が原因と思われる」、Pは「だから〜していく」という風につなげるイメージで書いていこう。
NG例(内容が重複)
A: 点滴が動きにくさの原因なので、動作の妨げにならない位置に調整する必要がある。
P: 点滴ルートを、動作の妨げにならない位置に調整する。
OK例(Aを原因、Pを対応で書き分ける)
A: 点滴による動きにくさが、活動量を低下させている要因と考えられる。
P: 動作の妨げにならないよう、点滴ルートの長さや位置を調整する。

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ケース4 皮膚統合性障害のリスクがあるEさん
Eさん(女性、90歳)。
嚥下機能低下に伴い絶食、点滴治療中。
両上下肢の拘縮があり、自己体動(寝返りなど)はなし。
●検査データ
身長:162cm、体重:42kg(BMI:16.0/入院時より-7kg)
Alb:2.1g/dL。
皮膚統合性障害のリスクがあるEさんのSOAP形式の看護記録例
| S | (発語なし) |
| O | -1)Alb:2.1g/dL -2)身長:162cm、体重:42kg(BMI:16.0/入院前より-7kg) -3)嚥下機能低下に伴い絶食、点滴治療中。 -4)両上下肢の拘縮あり。 -5)自己体動(寝返りなど)はなし。 |
| A | -1) Alb 2.1g/dLと基準値以下の低栄養状態であり、BMIも入院前の18.7から16.0に減少し、著しい低体重(やせ)である。 -2)自力で動くことができないため、身体ケアが必要な状態である。 -3) 嚥下機能低下に伴う絶食の状態であり、経口摂取が難しいことが低栄養や体重減少の要因と考えられる。 -4) 皮膚の脆弱化や痩せ、両上下肢の拘縮、自己体動ができないことによって、身体の同一部位の圧迫や、摩擦・ずれによる褥瘡のリスクがある。 -5) 関節拘縮により、脇や指の間などの間擦部に垢や湿気が滞留しやすく、皮膚トラブルが発生する可能性がある。 -6) 現時点で発語が見られず、自分で苦痛を訴えることが難しい場合、初期の皮膚異常や不快感の発見が遅れる可能性がある。 |
| P | -1)持続的な圧迫を避けるため、2時間ごとに体位変換を行う。 -2)表情や体動、骨突出部や間擦部(腋窩、肘窩、指の間など)の皮膚状況(発赤や湿疹など)を観察し、苦痛や皮膚障害の早期発見に努める。 -3)間擦部は1日1回以上清拭を行い、皮膚の清潔を保つ。 -4)栄養状態(体重やTPやAlbなどの血液データ)の推移を観察する。 |
※間擦部→皮膚と皮膚が合わさった部位(膝の裏や脇の下など)
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SOAP記録の書き方の詳しい手順はこちら
①②S情報とO情報をピックアップする
| 【S情報・O情報】
S情報:発語なし |
③S・O情報をもとに、片っ端からアセスメント(A)する
【Step1】「3つの問い」に対して、思いつくことを書き出す
問い1:今、何が起きている?(正常か異常か)
| 【S情報・O情報を踏まえたアセスメント(A)】 ・Alb2.1g/dLで基準値以下(O-1)なので、低栄養状態。 ⇒異常 ・BMIは16(O-2)で低体重。 ⇒異常 ・入院前のBMIは18.7(O-2)で標準体重。 ・自力で動くことができず(O-5)、体位変換や清拭などの介助が必要。 ⇒異常 ※基準値の目安:Alb: 4.0~5.0 g/dL |
問い2:なぜ、それが起きている?(原因を探る)
| 【S情報・O情報を踏まえたアセスメント(A)】 ・低栄養状態(O-1)の原因の一つとして、嚥下障害により絶食治療が必要であることが挙げられる。 ・体重減少(O-2)の原因として、口から食事ができない(O-3)影響が大きい。 |
問い3:これからどうなりそう?(未来の危険と対策)
| 【S情報・O情報を踏まえたアセスメント(A)】 ・低アルブミン血症(O-1)により、浮腫や筋肉量の減少が起こる可能性があり、褥瘡のリスクが高い。 ・痩せ(O-2)ているので突出した骨が皮膚を圧迫・損傷し、褥瘡リスクが高い。 ・関節拘縮(O-4)で同じ場所が圧迫されやすく、褥瘡リスクを高めている。 ・脇の下や肘の内側、指の間などに垢が溜まったり、湿気が生じやすいので(O-4)、皮膚トラブルのリスクがある。 ・寝返りできない(O-5)ことで体圧が逃げず、 褥瘡リスクが高い。 ・発語が見られず(S情報)、自分で苦痛を訴えることが難しい可能性あり。皮膚トラブルや不快感の発見が遅れやすい。 |
【Step2】重複したアセスメントをまとめ、順番を整える
Step1の「褥瘡リスク」「拘縮による間擦部の皮膚トラブルリスク」を踏まえて整理します。
| 【整理したアセスメント(A)】 ①今、何が起きている?(正常か異常か) A-1) Alb 2.1g/dLと基準値以下の低栄養状態であり、BMIも入院前の18.7から16.0に減少し、著しい低体重(やせ)である。 A-2)自力で動くことができないため、身体ケアが必要な状態である。 ②なぜそれが起きている?(原因を探る) A-3) 嚥下機能低下に伴う絶食の状態であり、経口摂取が難しいことが低栄養や体重減少の要因と考えられる。 ③これからどうなりそうか?(未来の危険と対策) A-4) 皮膚の脆弱化や痩せ、両上下肢の拘縮、自己体動ができないことによって、身体の同一部位の圧迫や、摩擦・ずれによる褥瘡のリスクがある。 A-5) 関節拘縮により、脇や指の間などの間擦部に垢や湿気が滞留しやすく、皮膚トラブルが発生する可能性がある。 A-6) 現時点で発語が見られず、自分で苦痛を訴えることが難しい場合、初期の皮膚異常や不快感の発見が遅れる可能性がある。 |
④プラン(P)を書く
アセスメントから整理した、「自己体動ができないので、介助が必要」「皮膚トラブルを予防するため、清潔ケアや皮膚観察が必要」 に対して、プランを記載します。
|
【プラン(P)】 P-1)持続的な圧迫を避けるため、2時間ごとに体位変換を行う。 |
プランの具体性について
ツナ看プランに「定期的に〇〇を行う」「適宜△△する」と書くと、「『定期的』って具体的にいつ?」と指導を受けることも。
そのため、体位変換のように「2時間ごと」と推奨されている頻度がある場合は、その基準を記載しましょう。
ただ正直なところ…実施頻度は患者さんの予定や病棟の動きにもよるので、
「〇〇のケアを実施する」までプランに書いておいて、タイミングは指導者さんに相談するのがツナ看的には吉だと思うよ。

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まとめ
ツナ看看護実習は本当に大変だと思います。
でも、その積み重ねで鍛えられた「考える力」は、臨床に出た時に強い武器になります!
これから出会う患者さんへの看護に必ず活きるので、皆さん頑張ってください!!
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看護師、漫画家。
総合病院で5年勤務後、訪問看護師へ転職。
「忙しすぎる医療の現場にクスッと笑いを」をモットーに、看護師あるあるイラストを描く日々。「チャラ孫とばぁば」「きょうのマインドくん。」シリーズも投稿中。
看護roo!サイト:マンガ・踊る!ツナ看劇場。
LINEスタンプ:それいけ新人ナース。
書籍:
生き抜くためのリスク教養 図解 痩せる薬(イラスト)
編集:宮本諒介(看護roo! 編集部)
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