看護師国家試験の勉強方法|過去問を使った効率的な進め方

看護師国家試験に向けて、効率的で適切な勉強方法と年間のスケジュールを解説します。

 

1 看護師国家試験の効果的な勉強方法は?

看護師国家試験対策の基本は、過去問を解くことです。でも、過去問はただ解いて○✕をつけるだけではなく、選択肢や解説を読み込んで、関連する知識も身につけることが大切なんです。

 

過去問そっくりの問題も! 同じテーマが繰り返し出る

過去問で勉強するべき最大の理由は、過去問そっくりな問題を含め、同じテーマの問題が大部分を占めるからです。看護師に求められる基礎知識はそう変わらないので、まったく新しいテーマはあまり問われません。仮に出されても解けない人が多いから、気にしなくて大丈夫。合格を確かなものにするためには、頻出の定番テーマを押さえておくことが大切です。

実際の過去問(漸進的筋弛緩法の目的を問う出題)を比較しましょう。

 

漸進的筋弛緩法の目的を問う過去問の比較(110回午前33)漸進的筋弛緩法の目的を問う過去問の比較(115回午後37)

選択肢が少し違う以外は同じですよね。 こんなふうに、ほとんど同じ問題や類似している問題、問われ方が違ってもテーマが共通している問題が大部分を占めるんです。

 

「正答率70%以上」の問題をクリアすればOK

厚生労働省が発表しているデータを見ると、新卒生の合格率は毎年95%前後(全体の合格率は90%前後)という高いところで安定しています。

看護師国家試験 合格率の推移(全体合格率と新卒合格率)

この数字から分かる通り、看護師国家試験は「人と競争して勝ち抜く試験」ではなく、「みんなと一緒に合格する、落ちないようにする試験」です。

合格を確実にするための目安は、「正答率70%以上の問題を正解できるようになること」。これができるようになれば、合格ラインが決まっている必修問題も、毎年ボーダーラインが変わる一般・状況設定問題も安全に超えられますよ関連記事:国試のボーダーラインと合格率

実際の正答率74%の一般問題を見てみましょう。

 

※以下の正答率は、看護roo!が実施した『ライブ合格判定サービス』のデータを用いています。なお、小数点第二位以下は四捨五入しています。

正答率74%の問題例_減感作療法(113回午前43)正答率74%の問題例_転移性脳腫瘍の原発巣(113回午前81)

このくらいの難易度の問題を正解できるようになることが目安となります。

 

 

2 合格ラインをクリアする「問題集3周」の進め方

過去問をベースとした勉強を効率よく行うためには、過去問題集を軸にして、同じ範囲を3回繰り返す「3周学習」が効果的です。ただし、それぞれの周回で目的を変える必要があります。

  1. 1周目【全体把握】どんな問題が出ているかザッと知る
  2. 2周目【知識吸収】解説を読み込み、調べながらじっくり
  3. 3周目【弱点克服】間違えた問題を中心に知識の穴を埋める

 

1周目【全体把握】どんな問題が出ているかザッと知る

1周目の目的は、どんな問題が出ているかを把握することです。最初は解けない問題があって当然。1問に長時間悩む必要はありません。解説を軽く確認しながら、「こんな領域で、こういう聞き方をするんだな」という雰囲気をつかむ程度でOKです。

もし、手元にある分厚い過去問題集をやるのがしんどいと感じるなら、過去問アプリ「看護roo! 国試」の正答率別の出題機能を活用するのもアリです。

過去問アプリ「看護roo! 国試」のみんなの正答率が高い問題 画面

アプリにある「正答率90%以上の問題(約1,300問)」、あるいは「正答率85%以上の問題(約2,000問)」をひと通り解いて1周とします。この方法の良いところは、全体の傾向をつかみながら、「必修対策」にもなっちゃうことです。高正答率には必修・一般・状況設定すべてが含まれています。そして、必修問題の大部分は、正答率80%を超えています。なので、高正答率の問題を中心に勉強すれば、そのまま必修対策にもつながるんです。

 

2周目【知識吸収】解説を読み込み、調べながらじっくり

国試対策のなかで、最も時間とエネルギーを割くのが2周目です。ここでは時間をかけることを恐れず、じっくりと取り組みましょう。「正解したか」だけでなく、不正解の選択肢も含めたすべての選択肢と解説の内容を確認します。わからない単語やあやふやな知識があったら、そのときに参考書などで調べましょう。

たとえば、以下の過去問(114回午前38)で見てみますね。
第114回午後38の解説文に登場する専門用語を1つずつ調べる例

 

このとき、「高濃度酸素吸入はどんなときにする?」「CO2ナルコーシスはどんな状態?」「無気肺の治療法は?」「肺塞栓症の原因は?」「間質性肺炎で酸素吸入はする?」というように、解説文に登場する専門用語を1つずつときほぐし、すべての選択肢の根拠を説明できるように調べ上げます。このじっくり調べる作業に十分な時間をかければ、本番で違う聞かれ方をされても対応できる応用力が身につくんです。

 

3周目【弱点克服】間違えた問題を中心に知識の穴を埋める

3周目は、1周目と2周目で間違えた問題や、正解したけど自信がない問題をピックアップして解き直す、弱点克服の段階です。

アプリ「看護roo! 国試」を活用すれば、自分が間違えた問題や、自信がなくてチェックをつけた「要復習の問題」だけに絞り込んで出題させることができます。無駄な重複や手間を省けるから、直前期でも効率よく知識の穴を埋めることができるんです。

過去問アプリ「看護roo! 国試」の「復習」画面(不正解の問題、要復習の問題)

 

 

3 看護師国家試験対策の勉強時間とスケジュールは?

看護師国家試験対策を進めるうえで、「いつから始めるべきか」「1日何時間やればいいのか」というスケジュールに関する疑問は、受験生なら抱いちゃいますよね。人によって始める時期や、適切な時間は違います。ただ、最終目標はみんな同じ。「正答率70%以上の問題をクリアできるようになること」です。その前提で、春以降のスケジュールを見ていきましょう。

 

春から始める場合のスケジュール

国試対策を年間を通じて進める場合、受験学年の春から直前期にかけて、徐々に学習の密度を上げていきましょう。

時期 状況 国試対策の進め方(目安)
🌸 春〜夏 (4〜7月) 授業や実習、卒業論文などが重なって、まとまった勉強時間がとりにくい💦 通学などの すき間時間にアプリで実習領域の過去問を解くなど、問題に少し触れておく 程度でOK!
🌻 夏〜秋 (8〜10月) 夏休みのまとまった時間や実習の合間を使って、少しずつ国試を意識し始める✍️ ここから本格的に過去問に取り組み始めます。9〜10月頃を目安に、問題集の「1周目」を終わらせましょう。
❄️ 秋冬 (11〜12月) 実習の負担が落ち着き、いよいよ本格的な受験モードに突入!☃️ 11〜12月にかけて、問題集の「2周目」、解説をじっくり読んで理解する作業を進めていきます。

 

1月からでも間に合わせるための対策

1月スタートでも目標は同じです。でも、1月から問題集3周って、正直ハードル高いですよね。3周という回数よりも重要なのは、1回の「質」です。選択肢の根拠を自分の言葉で説明できるレベルまで理解できているなら、極論1周でも合格ラインには到達します。残り時間が少ない1月だからこそ、「何周したか」ではなく「どこまで理解できたか」にこだわりましょう。

 

※「問題集1周」の量について:国試10年分や高正答率特化など、掲載内容は問題集によって異なりますが、手元の1冊をしっかりやり切れば大丈夫です。問題集を使わない場合は「国試10年分」が目安になります。もしやり切る自信がなければ、まずは「国試5年分」や「10年分のうち高正答率の問題」に絞って進めるのも1つの手です。

 

勉強時間は一律ではない。時間という「量」より理解度という「質」が大事

「1日に○時間勉強したらOK」というものではないのが悩ましいところです。

実は、直前期の勉強時間には大きな幅があります。看護roo! 内で実施した先輩ナースへのアンケート調査「国試前の1月、1日何時間勉強してた? | 看護師の本音アンケート(回答2,862人)」の結果を見ても、毎日の勉強時間は環境や個人の進捗によってバラつきがあることが分かります。

重要なのは、かけた時間の長さではなく、それぞれの選択肢の根拠をどこまで深く理解できたかという「質」です。まとまった時間は問題集でじっくりと単語レベルの理解を深め、すき間時間はアプリで覚えたことを思い出す練習をする。こんなふうに、時間の長さに捉われず「勉強の密度」を意識して進めていきましょう。

 

みなさんのなかには、焦りや不安を感じている人もいると思います。その気持、簡単にはなくならないですよね。不安、焦りを抱えながらも、まず一步、過去問を1問解くところからはじめてみましょう。サクサク進まなくても、一歩一歩進めていけばきっと力はついていきます。今回、勉強の進め方について説明しましたが、人によって合うやり方、合わないやり方はあるので、進めながら合うやり方を探していきましょう。
なんとか乗り切って、最終的に合格に結びつくことを、心よりお祈りしています!

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