潜伏期間を経て今後も不安のあるアスベスト 看護職員の16%が使用経験あり
【ナース知っ得ニュース 2014/10/15号】
京都の医労連が行った医療関係者へのアンケート調査で、アスベスト(石綿)を使う作業を経験したことのある看護職員は、京都府内で16.4%であることがわかりました。
想像以上の多さに、健康被害が懸念され18日に電話相談の受付を行うことが決まっています。
看護職員16%が石綿使用経験 京都、医療手袋洗浄で(京都新聞)

京都府内の看護職員の16.4%がアスベストを使った作業や環境下での作業経験あり
京都医療労働組合連合会は、10月3日に医療関係者へのアンケート結果を発表しました。
この調査のきっかけは、山口県の准看護師と大阪府の元看護師が、医療用の手袋を洗浄して再利用するときに、ゴム同士がくっつくのを防ぐために使った「タルク」と呼ばれる滑石の粉に含まれるアスベスト(石綿)が原因で「中皮腫(ちゅうひしゅ)」という中皮細胞のがんにかかったことが労災認定されたことでした。この作業が行われていたのは1981年~86年。労災認定されたのは、2012年でした。
2013年12月~2014年5月にかけて行われたアンケート結果では、京都府内の看護職員391人のうち、64人がアスベストを使った作業や、アスベストが吹き付けられた環境での作業を経験したことがあると回答しています。
アスベストに接する作業とは?
アンケート調査では、アスベストに接する作業内容として、「手袋などのゴム製品の再利用」が最多、「新生児の沐浴時のベビーパウダー使用」も多い結果に。中には、「せきやたんが多い」「息切れがひどい」などの呼吸器の異常を訴えたと人もいたそうです。
これを受けた京都医労連側は、受診や検査を呼びかけ、電話相談「医療現場のアスベスト110番」を10月18日の午後1時~6時の間に実施することを発表しています。
アスベストの危険性と大阪での訴訟判決
アスベストとは、繊維状の鉱物で、「石綿(せきめん・いしわた)」とも呼ばれるものです。かつては、石綿工業製品と建材製品に使われていたものでした。飛び散るアスベストを吸い込むと、肺がんや中皮腫にかかる危険性があるといわれています。
アスベスト(石綿)は、すでに2006年に製造、使用ともに全面禁止されていますが、その潜伏期間は数十年にも及ぶため、患者は今後も増えることが予測されています。
最初にアスベストによる健康被害が判明したのは1958年。その対応策として工場に排気装置の設置が義務付けられたのは13年後の1971年になってからでした。この遅い対応が問題になり、大阪で訴訟が起きていましたが、先日ようやく国の責任として認める判決が出たところです。
医療用手袋の再利用は、かつての医療現場で広く使われていたといわれています。
先述の山口県の准看護師の訴訟でも、「タルク」を使用していたのは1981年~86年の間。労災認定が出たのは2012年。20数年の時間がかかっています。
被害報告は今後ますます増える可能性があるかもしれません。
(参考)
http://www.yomiuri.co.jp/national/20141009-OYT1T50071.html
http://www.erca.go.jp/asbestos/what/whats/basyo.html
http://www.erca.go.jp/asbestos/what/kenkouhigai/pdf/panphlet.pdf
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