アプリで急変患者さんが救える!? 「全国医療学生アプリケアコンテスト」の優勝アプリがすごい

急変患者さんの命を救うアプリを学生が開発!?

アプリで医療の現場を改善する…『全国医療学生アプリケアコンテスト』の決勝プレゼンテーションが、8月24日(日)に東京・マイクロソフト本社で開催されました。予選を勝ち抜いた4組の学生チームが最終審査に臨み、審査の結果、「急変患者さんの命を救うアプリ」を開発した「チームmiYama」が見事優勝を果たしました。

審査員から「今回のコンテストの場にとどまらず、実際に世の中にリリースできるように頑張ってください！」とコメントされた今回の優勝アプリ『iResQ』(アイレスキュー)。「急変患者さんを救うアプリ」とは、一体どういうものでしょうか。

アプリでどうやって救急患者さんを救うの？

ここで、少し想像してみてください。例えばあなたは失神、または貧血を起こし、不幸にも街中で倒れてしまった…とします。

人通りが多い街中であることが幸いし、近くにいた人が救急車を呼んでくれ、5分と立たずに救急隊員が駆けつけました。この後、あなたは救急車に運び込まれ、受け入れ可能な病院に搬送されます。車内では救急隊員があなたの状態・バイタル等を確認し、あなたの家族に連絡を取るでしょう。…と、ここまでは現状、一般的な救急の現場の流れです。

救急の現場は、スピードが最も大切。そして、すばやい判断を可能にするのは、あなたの情報です。もし上記のようにあなたが窮地に陥ったとき、あなたの健康状態や・持病・服薬中のクスリ・かかりつけ医がすぐに分かったなら、救急隊員も、更に迅速な対応、処置が可能となるはず…。そこで、開発されたのが『iResQ』。

あなたの情報を、アプリが自動で救急隊員に伝えます

『iResQ』は、もしあなたが街中で倒れてしまった場合に、あなたの代わりに、あなたの情報を救急隊員に伝えてくれるアプリです。事前にアプリをダウンロードし、アプリ内にあなたの氏名・年齢・病歴・服薬中のクスリ・かかりつけ医等の情報を登録しておけば、緊急の際に救急隊員がアプリを見て、あなたの情報を入手。迅速な判断、対応が可能となり、あなたが助かる可能性もグッと上がる…というもの。

…と、ここであなたは、きっとこう思うはず。

「いやいや、誰が倒れた私のアプリを起動してくれるの？ それとも薄れゆく意識の中、自分でアプリを立ち上げなきゃいけないの？ それ無理じゃね？」

ご安心を。『iResQ』はあなたが倒れても、自動的に起動し、救急隊員にあなたの情報を伝えてくれます。そのカラクリにキラリと光るアイディアが。

救急隊員(画像左)は、「ビーコン」と呼ばれる発信機を装着し、あなたが倒れた現場に駆けつけます。

すると、あなたがポケットに入れていたiPhoneがビーコンが放った電波をキャッチして、「iResQガ起動シマシタ」と音声アナウンスを自動的に発信。続いてあなたのiPhoneにインストールされている『iResQ』が起動し、救急隊員があなたの必要な情報を入手します。

このアプリが実用化されれば、あなたの情報は、スムーズに救急隊員に伝わり、迅速な対応が可能になる…という仕組みです。

チームmiYamaによる決勝プレゼンテーションの様子。

『iResQ』の開発を行ったチームmiYamaのメンバー、入部翔吾さんに今後のアプリの展望を伺ったところ、まずは「再発リスクが高い＝街中で救急を必要とする場面が多い」とされる脳卒中患者さんに向けて、当アプリの普及させたいとのこと。また、このアプリのリリースに向けて、「クラウドファンディング(開発資金をWEBユーザーから集める仕組み)」を使って、今回のプレゼン大会にとどまらず、リリースに向けて動いていきたい…と力強く語ってくれました。

そう遠くない将来、救急の現場に「患者さんの命を救うアプリ」が登場する日がくるのかも。今後の展開に期待です。

【看護roo!編集部】

『全国医療学生アプリケアコンテスト』(2014/08/24)

【優勝】 チームmiYama 『iResQ』(急変時にあなたの情報を伝えてくれるアプリ)

【準優勝】『オストメイトナビ』(現在地からオストミー患者さん対応のトイレを自動検索してくれるアプリ)

【当アプリについてのお問い合わせ】

miyama.712(アットマーク)gmail.com

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