仕事でぶつかる壁。越えても越えても壁、壁、壁…!|ナースのお悩み処方箋【28】

「乗り越えられない壁は、目の前にやって来ない」

 

看護師になって三年目を過ぎた頃でしょうか、同僚たちとこんな話をしたことがあります。

「壁って、乗り越えても、またすぐ次の壁が来るよね!」

その時は、「あるある!」「壁の波状攻撃にへこたれそう!」と笑い話にしました。

 

ある程度、仕事ができるようになって、後輩指導も板についたと思っても、仕事中のできないことや悩みは尽きないものです。
当時は自分が未熟だから、こんなに何度も壁に行く先を遮られたような気分になるんだろうし、だからこそ、乗り越えようとした壁はいつも高く見えるんだろうと思っていました。

 

ベテランになったら、壁なんか滅多に来ないなず。
たとえどんな高い壁が立ち塞がっても、ヒョイヒョイとかわすなり、乗り越えるなりできようになるはず。
だからもっと頑張らないとね!
――と思っていました。

 

でも、その認識は違っていました。

 

いくつ年を重ねても、どれだけ経験を重ねても、壁は立ち塞がってくるんです。
ただ、壁の感じが少しずつ違ってくるだけで、壁がなくなることはないんです。
しかも、ベテランの域に近づけば近づくほど、高さだけでなく、難易度も上がっていくような気がします。

 

新人の頃は、採血が下手だ、とか、患者さんと上手くコミュニケーションが取れない、とか、至極個人的な壁だったような気がします。
自分が頑張れば、どうにかできるような類の壁だったんですね。

 

それが、自分の成長と共に、壁の種類が変わってくるんです。
後輩や部下に、仕事のやり方をどう伝えるか。
彼ら彼女らのモチベーションを下げずに、どうやって注意するか。
仲の悪いスタッフを、どう話を持っていけば連携して仕事をしてもらえるようになるか。

 

そんな、どちらかといえば、自分ひとりで頑張ってもどうにもならない壁に、だんだん変わってきたような気がします。

もちろん、個人的な壁もやってきますよ、私ってどうして思っていることを波風立てずに伝えるのが下手なんだろう……って。

 

で、冒頭の雑談に戻りますが、その笑い話をした時、場の中に主任さんがいたんです。
彼女は苦笑しながら、こう言いました。

 

「経験を積んでいくと、低すぎる壁は、もう壁じゃなくなっちゃうし、高すぎる壁って、一目見て、ああ面倒臭そうだなって後回しにしちゃえるからいいんだけどね。
一番面倒なのは、苦労しそうだけど登れそうな壁。
そんなんばっかり、壁が何枚も連なって目の前に並んでる感じで、うんざりするようになるわよ。
ま、いずれあなたたちもわかるようになると思うけど」

 

――このコトバ、理解できたでしょうか。

 

理解できなくても大丈夫です。

経験を積めば、主任さんのコトバの意味がわかると思いますよ、今の私のように。

 

 


 【岡田久美】 兵庫県出身。看護書籍の編集とゲームシナリオライターを本業に、フリーの看護師として活躍中。いつでもどこでもどんなところでも勤務できるオールマイティな看護師を目指し、これまでの勤務職場は病院、クリニックなど30以上。

著書に「看護師の流した涙」(ぶんか社)がある。

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