看護師の負担軽減のキーパーソン「看護補助者」は増える?増えない…?|看護roo!ニュース

看護補助者の人手不足、タイトルイラスト

看護師の人手不足が続く中、

 

「看護師じゃなくても可能な仕事は、看護師以外のスタッフに分担する」

 

という対策が必要だと指摘されています。

 

業務の分担先として注目されるのが、看護補助者(看護助手、ナースエイド)の存在。しかし、その看護補助者も人手不足が続いている状況です。

 

 

看護補助者を採用したくてもできない…

看護師から看護補助者への業務分担を進めるため、国は、看護補助者を多く配置する病院に診療報酬を手厚くするなどの対策を取っています。

 

看護補助者の採用に力を入れる病院も少なくありませんが、実態はどうでしょうか?

 

日本看護協会の調査※1では、全国の病院を対象に、看護補助者の採用状況(2019年度)について尋ねています。

 

※1:2020年病院看護実態調査。全国の病院8249施設を対象に2020年10月1日~11月9日にWeb調査を実施。有効回収数3797施設(46.0%)

 

それによると、看護補助者について1病院当たり平均6.1人の採用を予定していたのに対し、実際に確保できたのは平均5.6人。特に、正規雇用の看護補助者の確保が難しくなっているようです(平均3.0人の採用予定に対して平均2.3人)。

 

一方で、年間の退職者は平均5.1人となっており、看護補助者の確保・定着に多くの病院が苦労している様子がうかがえます。

 

2019年度の看護補助者の採用状況の図表(調査に回答した3,248病院の平均)

2020年病院看護実態調査(日本看護協会)を基に看護roo!編集部作成

 

また、厚生労働省による調査※2では、200床以上の病院の約6割は「必要なだけの看護補助者が足りていない」と回答。

 

そのうち約9割は「募集しても集まらない」からだという理由を挙げました=関連記事=。

 

※2:平成30年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査。対象は「医師事務作業補助体制加算」を算定している病院・していない病院から750施設ずつ抽出した1,500施設。

 

 

看護補助者の確保・定着、取り組んではいるものの

日看協の調査によると、看護補助者の確保・定着のために、各病院でもさまざまな対策に取り組んでいます

 

看護補助者の確保・定着のために病院で取り組んでいることの棒グラフ(複数回答、回答施設3,797病院)。研修の充実66.8%、意見を吸い上げる場・仕組みづくり65.9%、勤務日数・時間帯を柔軟にする44.7%、看護師に対する協働についての研修42.5%、給与の引き上げ26.3%、担当業務を特化した看護補助者の導入25.6%、正規雇用への変更23.9%、仕事内容などのPR19.4%、その他7.3%

2020年病院看護実態調査(日本看護協会)を基に看護roo!編集部作成

 

しかし、看護補助者の人手不足を大きく改善するまでには至っていません。

 

新型コロナウイルス感染症の拡大で、看護師の業務負担が増えていることが指摘され、看護補助者はますます必要とされています。

 

厚労省は、コロナ病棟での配膳やリネン交換などを看護補助者に分担できるように「看護補助者向けの感染対策の教材を作成する」などを予定していますが、そもそも看護補助者が不足している現状からは、対策の効果を見込むのもなかなか難しいかもしれません。

 

看護師と看護補助者の人手不足に、さらなる対策が求められています。

 

 

看護roo!編集部 烏美紀子(@karasumikiko

 

 

(参考)

2020年病院看護実態調査(日本看護協会)

医療従事者の需給に関する検討会 第9回看護職員需給分科会 資料(厚生労働省)

 

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