クリニックに残るか病院に戻るかモヤモヤ|看護師かげと白石の今週のモヤッと(32)

看護師かげと白石の今週のモヤッと。タイトルバナー

この連載では、総合病院で働く看護師のかげと中堅看護師の白石が、読者から寄せられた「看護の現場で感じるモヤモヤ」にお答えします。

 

みんなの「モヤッと」が「ピカッと」に変わりますように!

 

連載:看護師かげと白石の今週のモヤッと

Vol.32 クリニックに残るか病院に戻るかモヤモヤ

クリニックに残るか病棟に戻るか迷っている看護師のイラスト

 

看護師かげさんのアイコン

今回は、看護師2年目の方からのお悩みです。

 

 

新人の頃、病棟を3カ月で辞めて現在クリニックで常勤勤務をしています。クリニックで行う看護技術は採血や点滴ほどしかなく、病棟にいた頃と比べるとゆとりを持って働いています。でも、給料の高さや育休・産休などの福利厚生を考えれば、今からでも病棟勤務をした方が良いのではないかと思ってしまいます。

 

楽を取るか、これからの看護師人生の幅を広げるかつお給料を取るかでとても悩んでいます。
また、周りの2年目は病棟勤務を頑張っているのに、このまま楽な方に身を委ねていていいのか、常に葛藤しています。

(あいこさん 看護師2年目)

 

看護師白石さんのアイコン

相談者さん、一度は病棟で働いたけど、何か理由があってクリニックに転職したんだね。

 

看護師かげさんのアイコン

病棟とクリニックでは看護師が行う業務が違うから、焦っちゃう気持ちも出てくるんだろうね…。

 

看護師白石さんのアイコン

そのモヤモヤした気持ち、少しでも整理できるように一緒に考えていこうね!

 

 

病棟勤務とクリニック勤務の違いは…?

看護師かげさんのアイコン

「このまま楽な方に身を委ねていていいのかな」って書いてあるけど…。
僕は「仕事でたくさん苦労しなくちゃだめ」とは思わないよ。

 

看護師白石さんのアイコン

それに、病棟とクリニックは本来、それぞれ役割や業務内容が違うから、その良さや大変さを一概に比べることはできないと思うんだ。


前職の同期とかが病棟で夜勤をしてたり忙しく働いていると、焦っちゃう気持ち、ほんとうによくわかるんだけどね…。

 

看護師かげさんのアイコン

お給料や福利厚生も、職場によりけりって感じだよね…。

 

看護師白石さんのアイコン

うん。
でも、病棟の仕事もクリニックの仕事も、どっちも看護を行うことに変わりはないんだよね!

 

 

「自分のやりたい看護の仕事は何か」を考えて、病棟で働く具体的な理由を見つける

看護師白石さんのアイコン

相談者さんは、病棟のお給料や福利厚生だけでなく、病棟でいろんな技術を身につけたり、経験を積みたい気持ちもあるのかな?

 

看護師かげさんのアイコン

そうかもしれないね。
もしそうなら、「自分のやりたい看護の仕事は何かな?」って一度フラットに考えて、整理してみると良いかも!

 

たとえば、

「術後の患者さんのケアをしたい」とか、
「長く患者さんと疾患に向き合いたい」とか…。

自分がやりたいことを、紙に書き出してみるのはどうかな?

 

書き終わったものを眺めてみて

「この仕事ができるのは病棟だな」

「クリニックの方が学べそう」

とか思ったりしたら、自分にとって病棟がいいかクリニックがいいか、ハッキリするかも!

 

看護師白石さんのアイコン

それいいね!
書き出したら、「急性期に興味があるんだな」とか「慢性期の患者さんと関わってみたい」とか、学びたい分野も具体的になりそうだよね。
 

看護師かげさんのアイコン

病棟ならではの知識や技術を身につけて、自分のやりたいことを見つけたいっていう動機もアリだと思うな。

 

看護師白石さんのアイコン

意外と、クリニックと病棟以外の選択肢も見えてきたりして…。
相談者さんが求めているものは、実は訪問看護や介護施設っていう可能性もあるかもしれないしね。
 

 

クリニックだからこそ学べる看護もある

看護師白石さんのアイコン

逆に、クリニックに勤務している今だからこそできることにも目を向けてみるといいかもね!

 

看護師かげさんのアイコン

たとえば、どんなこと?

 

看護師白石さんのアイコン

病棟だと診断がついた状態の患者さんが入院してくるけど、クリニックなどの外来だと患者さんは症状を訴えて受診するよね。
だから、どこが悪いのかを診断するところに介入することになる。

 

そのとき、

「この患者さんは感染症の可能性はあるかな?」
「重症度は?」
「緊急性はあるかな?」

って、目の前の患者さんの状態を観察してアセスメントすることで、初期対応の知識を身につけたり。
それに、中長期的に患者さんの疾患や経過をフォローする経験を積むことができるよ。

 

看護師かげさんのアイコン

たしかに!
クリニックには、いろんな疾患の患者さんが受診するよね。
受診した患者さんの対応から、疾患や治療の勉強を広げたり、知識を深めることもできるし…。
クリニックだからこそ学べることっていろいろあるんだね。

 

看護師白石さんのアイコン

そうそう!
あと、クリニックで働きながら外部の研修に行くのもいいかもね。
クリニック勤務でも、勉強できることはたくさんあるよ!

 

看護師かげさんのアイコン

クリニックに勤務しながら、他の看護のスキルを身につけることもできるんだね。
クリニックだから学べることと、病棟だから学べること、そのどちらも考えた上で「どこが私が働きたい職場かな?」って、考えてみてね。

 

看護師白石さんのアイコン

そうそう!
あと、福利厚生についても、職場ごとに違いがあるよね。
だから、自分の希望する項目は何なのか、お給料はどのくらいもらいたいのかよく考えたうえで、調べてみたらいいと思うな。

 

看護師かげさんのアイコン

うん!
具体的に比較検討したうえで、自分に合った職場で働けることを、祈ってるよ!

 

 

今週のピカッと


☆病棟勤務とクリニック勤務の違いを自分なりに調べてみよう

 

☆「自分のやりたい看護の仕事は何か」を具体的に考えてみよう

 

☆クリニックだからこそ学べる看護もある

 

 

かげ・白石に聞いてほしいモヤモヤは

こちらのフォームからどうぞ!
 

 悩みを相談する 

 

プロフィール
かげさんアイコン

看護師のかげ(@877_727)

医療の勉強に役立つ(てほしい)絵や仕事でのほっこり話などをTwitterでつぶやいています。

10年以上病院で働いてきて、現在はいろんな場所で働いている看護師兼ライター。

最近は、後輩に飴ちゃんあげるおかん系看護師になりつつある。

 

イラスト/かげ

編集/木村さちこ(看護roo!編集部)

 

●書籍紹介

『ホントは看護が苦手だったかげさんの イラスト看護帖〜かげ看〜』

かげ 著、永岡書店

看護師かげさん著「ほんとは看護が苦手だったかげさんのイラスト看護帖~かげ看~」の写影
 

 購入はこちら 

 

 

SNSシェア

コメント

0/100

仕事トップへ

掲示板でいま話題

他の話題を見る

アンケート受付中

他の本音アンケートを見る

今日の看護クイズ

本日の問題

◆フィジカルアセスメントの問題◆「脈が飛ぶ」状態を表す用語はどれでしょうか?

  1. 沈脈
  2. 浮脈
  3. 結滞
  4. 結節

12378人が挑戦!

解答してポイントをGET

ナースの給料明細

8894人の年収・手当公開中!

給料明細を検索