新人看護師のインシデントを防ぐ 患者や薬剤誤認に効果的な研修|「日本医療教授システム学会総会」より

医療や看護を安全・確実に提供できる医療職の育成を目的に立ち上げられた日本医療教授システム学会の総会が2016年3月3日(木)~4日(金)東京にて開催された。当日は医師・看護師はもちろん、介護福祉士やソーシャルワーカー、救命士なども参加し、さまざまな業種間での交流を深めながら、教育についてのさまざまな取り組みについて議論された。その模様をレポートする。


シミュレーション研修について説明する廣澤麻奈美氏

 

廣澤麻奈美氏鳥取大学医学部附属病院)は、新人看護師による患者や薬剤の正しい確認行動の評価と定着化を目的として行った、シミュレーション研修が有効であったという結果をポスターセッションで報告した。

 

研修は、10分間のブリーフィングの後、シミュレーションが行われ、さらに15分間のデブリーフィングの後に、自己の課題や行動目標などを記載して終了というものである。
そしてその1ヵ月後に患者や薬剤の正しい確認行動が取れているかどうかの実践状況の調査を行ったという。

 

研修時のシミュレーションは、電子カルテ上に模擬患者を設定して照合システムを使用したり、臨床で実際に使用されている薬剤および薬袋を使用したりするなど、実際の業務環境に近い状況で行われたといい、また、用意されたシナリオは、実際に新人看護師が起こしたインシデントを基に作成されたもので、注射指示ラベルと準備された点滴薬剤が違っている、配薬が違っているといった事例などが含まれたシナリオになっているという。

 

結果、研修時に確認行動により点滴薬剤の間違いに気づけたのは65名中20名で、間違えた理由として「先輩が準備したのだから間違いはないだろうというような思い込みがあった」と答えた新人看護師が複数名いたという。

 

対して、1ヵ月後の調査時に確認行動により点滴薬剤の間違いに気づいたのは54名と大幅に上昇しており、廣澤氏は「確認行動の実践率を上昇させるために、シミュレーション研修を行うことは有効な手段であったといえる」と説明した。

 

なお、平成26年度の新人看護師には入職からほぼ1年後の平成27年2月に行われたが、新人看護師による患者や薬剤の誤認のインシデントが多く見られることから、翌年の平成27年度の新人看護師への研修は同年の7月に行われたという。

 

これについては第二報として、桶島仁美氏が同じくポスターセッションにて発表しており、第一報と同じく研修が有効であるという結果とともに、入職後3カ月という早い時期に実施したことで、新人看護師の確認不足によるインシデント件数が減少していることについてもあわせて報告されていた。

【看護roo!編集部】

 

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2016年3月3(木)~4日(金)
第8回日本医療教授システム学会総会

【会長】

阿部幸恵(東京医科大学病院シミュレーションセンター)

 

【会場】

東京医科大学病院教育研究棟

 

【学会HP】

日本医療教授システム学会

 

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