解剖生理の勉強はなんのため?~『からだずかん』作者・角野ふちさんインタビュー
「解剖生理」と聞くと、苦手意識の強い看護師・看護学生も多いのではないでしょうか。
そんな解剖生理をかわいいキャラクターで解説する書籍『ゆるっとポップな解剖生理学 からだずかん』(KADOKAWA)が発売中!
作者の角野ふちさんは、総合病院の内科病棟で経験を積み、現在は介護施設で働きながらメディカルイラストレーターとしても活躍しています。
そんな角野さんに、解剖生理を学ぶ大切さや勉強方法を聞いてみました。

『ゆるっとポップな解剖生理学 からだずかん』(角野ふち著)
学生時代、唯一の追試は「解剖生理」!
――解剖生理のとっつきにくいイメージを打ち破る『からだずかん』ですが、角野さんは学生時代から解剖生理がお好きだったのでしょうか?

いえいえ、私も学生の頃から解剖生理がとっても苦手でした。
解剖生理って範囲が広いのに、「1年生で始まるたくさんの単元のひとつ」として授業がばーっと進んでしまうので、まず情報量の多さにつまずいてしまいました。
ただ、私の学校で解剖生理を教えてくださっていた先生が、「とにかく絵を描いて覚えることが大事」と教えてくださって、授業でもスケッチの時間があったんです。
なので、手を動かしながら楽しく覚えていきました。
テストでも「人体のスケッチを全部描く」という設問は花丸をもらえました。でも、記述問題は全然だめで……。
解剖生理で、最初で最後の追試を受けました(笑)。

『からだずかん』に登場する、臓器のキャラクター「ぞうもつくん」たち。
――追試になってしまったあとから解剖生理に目覚めたんでしょうか?

いえ、真面目に勉強してはいましたが、授業はどんどん進んでしまうし、国試でも問われている内容をお堅く感じてしまい、やっぱり苦手でした。
とにかく用語が複雑で難しく、勉強のモチベーションが上がりづらい科目でした。
勉強に本腰を入れたのは、看護師として入職してからです。
深堀りして学ぶと、身体の基礎である解剖生理に戻ってくる
――看護師として働き始めてから、どうして解剖生理を頑張ろうと思ったのでしょうか?

患者さんを受け持つようになったからです。
臨床で実際に看護師として働くと、患者さんやご家族からさまざまな質問をいただきます。
「この点滴って何のためにしてるの?」「この治療はからだのどこにどのような効果があるの?」と、新人であっても経歴に関係なく日常的に聞かれることがありました。
とっさに「あとで調べます!」「すみません、こちらの業務をしてからお答えします」と返答しても、結局はちゃんと自分の言葉で答えられるようにしないといけなくて……。
「わかっておかないといけない!」と改めて勉強をし直すようになりました。
――先輩からも質問攻めにされる、なんて話もよく聞きますよね。でもいったん、疾患や薬のことだけ調べれば答えられるのでは……?

すでに看護師として働いている方なら共感してもらえると思うのですが、疾患や薬のことだけ調べても、深堀りしていくと身体の基礎である解剖生理の知識がすべての基盤にあり、重要だと痛感します。
臨床ですぐ使う知識として、まず病態生理や薬理、処置の準備や手順などを勉強したのですが、わからないことを紐解いていくと結局は身体のことにつながっていきます。
どこから学び直せばいいの?とあまりの範囲の広さに絶望することもありますが、患者さんのためだと思うと頑張れました。
解剖生理の勉強は、患者さんの恐怖を和らげるため
――患者さんのための勉強、というのは?

身体の異常や治療でわからないことがある患者さんが、「不安だ」「怖い」と感じるのは当たり前だと思います。
それは緊張や痛みにもつながってしまうので、その恐怖をなんとかして和らげるのが看護師の役割のひとつだと考えています。
私が病棟で働いていたとき受け持っていた患者さんには若い方も多く、自分の身体が今どうなっているのか、どのように治療して変化していくのかという過程がイメージがしづらく、不安や恐怖を抱える場面も多々ありました。
そういった方に、たとえば採血の時に「これからこういう検査をするために、これだけの血液を取る必要があるんですよ」と説明すると、安心できたと言ってもらえることもあります。
看護師として、患者さんに治療や検査をできる限りわかりやすく説明して、患者さんのスムーズな回復を手助けできるのは、解剖生理をしっかり学び直したからこそだと感じています。

『からだずかん』より。かわいいイラストで解剖生理がパッと頭に入る!
解剖生理の最強攻略法は「描いてイメージする」!
――大切だとわかっていても、やっぱり解剖生理の勉強は大変だと感じる人も多いと思います。角野さんのおすすめの勉強法はありますか?

私は身体のことは、自分の体を動かして、「ここは180°は曲がらないな」みたいに確認しながら覚えていきました。
実際の身体をイメージできるようになることが大切なので、タブレットのメモアプリに、参考書や写真を切り貼りしてまとめたりすることもあります。
あとはやっぱり、学生時代に解剖生理の授業で教わった通り、描いて覚えるのが良いですね。
うまく絵に描けなくても、棒人間を使った図でもいいので、とにかく手を動かして視覚情報としてイメージすることがおすすめです。
――「描いて覚える」は『からだずかん』執筆のルーツにもなっていそうですね。

看護学生の頃から、なにかと考えるときはつい手を動して絵を描いてきたので、そういう意味ではつながっているのかもしれません。
疲れていて文章を読むことができないと感じたときでも、教科書の絵だけなら見ていられたりしますよね。
ぼんやり見ているだけでも頭に入ってくるように、『からだずかん』のキャラクターたちは、わかりやすい図形や物にたとえたり、重さや柔らかさも意識しながら作っていきました。
――確かに、「勉強するのちょっと面倒だな…」という気持ちでも楽しんで見ることができそうです。

『からだずかん』には、イラストや図解をとにかくたくさん描いているので、まずは何も考えずに画集を見るような気持ちでページをめくってみてほしいです。
パラパラと見ていくうちに、気になるキャラクターを見つけたり、興味ある領域を見つけたり、「親が肝臓悪いって言ってたな」と日常を思い出したりして、もっと調べてみたいと思うきっかけを見つけてもらえたらいいな、と思います。
この本が解剖生理への知的好奇心を持つきっかけになったら、作者としてとっても嬉しいです!
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