最終更新日 2018/07/10

糖尿病黄斑症

糖尿病黄斑症とは・・・

糖尿病黄斑症(とうにょうびょうおうはんしょう)とは、糖尿病によって視力に重要な役割を担っている黄斑部に病変が生じる病態である。
黄斑部は網膜の一部だが、眼底の中央にみられる黄褐色の部分を特に黄斑部と呼ぶ。黄斑部には錐体細胞と呼ばれる色や細かいものを識別する細胞が密集していて視力を形成している。

【病態】
黄斑症は黄斑部の異常で視力が低下する病態であり、(1)糖尿病黄斑浮腫、(2)虚血黄斑症、(3)黄斑部網膜色素上皮症の3つに分類される。
(1)糖尿病黄斑浮腫
糖尿病黄斑浮腫は血液網膜関門の破綻により、血管透過性が亢進して黄斑部に「浮腫」を来す病態である。
(2)虚血黄斑症
虚血黄斑症は黄斑部を栄養している毛細血管が閉塞して黄斑部の「虚血」により機能が低下する病態である。
(3)黄斑部網膜色素上皮症
黄斑部網膜色素上皮症は網膜の最も外側にある脈絡膜との境界の脈絡膜血管(栄養血管)の異常により、色素上皮が「萎縮」してしまう病態である。

【症状】
黄斑部以外の網膜に初期の病変があっても、進行してくるまで自覚症状を来さないことが多いのに対して、黄斑部に病変がある場合は早期から視力障害を来すことが多い。
特に、糖尿病黄斑浮腫は発症頻度が高く、軽症の糖尿病網膜症患者にも約10%の頻度で合併し、糖尿病網膜症が進行するにつれて合併頻度が高くなる。増殖糖尿病網膜症に至る前に視力低下を来す原因のほとんどは糖尿病黄斑浮腫である。また、腎機能障害があると糖尿病黄斑浮腫を悪化させやすいことが分かっている。

執筆: 石野田悠暉

防衛医科大学校病院 腎臓内分泌内科 救命救急センター

SNSシェア

用語辞典トップへ