最終更新日 2018/01/16

多発性筋炎/皮膚筋炎

多発性筋炎/皮膚筋炎とは・・・

多発性筋炎(たはつせいきんえん、polymyositis;PM)とは、主に体幹や四肢近位筋・頸筋・咽頭筋などの筋力低下をきたす自己免疫性の炎症性筋疾患である。典型的な皮膚症状を伴う場合は、皮膚筋炎(ひふきんえん、dermatomyositis;DM)と呼ばれる。

両疾患とも本態は、筋組織や皮膚組織に対する自己免疫であるが、すべての筋・皮膚組織が冒されるわけではない。特に、皮膚症状では特徴的部位に皮疹が出やすい。ほかの膠原病と同様に高γグロブリン血症や自己抗体を認める。

また、悪性腫瘍があると腫瘍随伴症候群として皮膚筋炎を発症することがある。原因となる悪性腫瘍は特定のものではなく、一般に多い消化器、肺、乳腺、生殖器などであり、腫瘍を治療すると皮膚筋炎も改善することもある。

【症状】
症状としては、皮膚と筋に典型的な症状がみられる。最近では、筋力低下を伴わないにもかかわらず、特徴的な皮膚症状がある皮膚筋炎(clinically amyopathic dermatomyositis: CADM)という疾患概念も加えられている。
■皮膚症状
ヘリオトープ疹とゴットロン徴候と呼ばれる典型的な紅斑が有名である。ヘリオトープ疹は上眼瞼にみられる浮腫性紅斑であり、ゴットロン徴候は手指関節背側面の角質増殖・落屑や皮膚萎縮を伴う紫紅色の角化性紅斑のことである。
■筋症状
主に体幹、四肢近位筋、頸筋など体幹に近い骨格筋が対称的に冒されて、筋力の低下がみられる。咽頭筋が障害されることによる嚥下障害をきたして誤嚥性肺炎を繰り返すこともある筋破壊により血清中に筋組織構成成分である筋原性酵素(クレアチンキナーゼCK、アルドラーゼ、LDH、AST、ALT、ミオグロビンなどが上昇し、疾患活動性の指標となる。
■その他の症状
間質性肺炎が有名であり、慢性型と急速進行型がある。
慢性型間質性肺炎は、抗Jo-1抗体などの抗ARS抗体が高頻度に陽性であり、組織学的には非特異性間質性肺炎(NSIP)を呈する。ステロイド治療への反応性も良好なことが多い。
急速進行型は、組織学的にびまん性肺胞障害(DAD)を呈し、ステロイドには治療抵抗性で予後が不良である。皮膚筋炎に合併する間質性肺炎の約20%が急速進行型といわれている。また、筋力低下を伴わない皮膚筋炎では急速進行性の間質性肺炎を合併しやすい。

執筆: 井上 彰

明石医療センター 救急科医長 救命救急センター

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