2016年04月18日

腹腔穿刺の介助


【監修】

中島恵美子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 教授)

 

【執筆】

森下純子 (杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 非常勤講師)

監修者・執筆者・監修大学についての詳細

 

「腹腔穿刺」の目的

●腹腔内に液体貯留が認められ、病態把握のためその性状を確認する
腹水貯留がある場合、苦痛の軽減や全身状態の改善を図る
●腹腔内に直接抗生物質や抗癌薬などを注入する

 

「腹腔穿刺」の適応

●腹腔穿刺による検査を必要とする患者さん
●肝硬変・がん性腹膜炎を患う患者さんなど

 

「腹腔穿刺」の禁忌

●広範な腸管癒着が予想される場合
●腸管の著明な拡張を認める場合
●妊婦

 

「腹腔穿刺」の必要物品

  • 延長チューブ
  • 排液用ボトル
  • 消毒液
  • 穴あき滅菌ドレープ
  • 膿盆
  • 局所麻酔薬
  • 三方活栓
  • 注射針(18,23G)
  • 注射器(5,20mL)
  • 鑷子
  • 腹腔穿刺針
  • スピッツ
  • マーカーペン
  • 滅菌ガーゼ
  • 保護フィルム
  • メジャー
  • 固定用テープ
  • 滅菌ガウン
  • キャップ
  • 穴あき滅菌ドレープ
  • サージカルマスク
  • 滅菌手袋

 

「腹腔穿刺」の実施

(1)穿刺部位の周囲を広く開ける

 

(2)処置用シーツを敷いておく

 

(3)水平仰臥位になってもらい、穿刺部位の選定後、皮膚の消毒の介助を行う

 

(4)局所麻酔の介助を行う

 

(5)医師が注射器で薬液を吸いやすいよう介助する

 

(6)腹腔穿刺の介助を行う。穿刺を施行したら、指示により排液を滅菌スピッツに採取する

ポイント

腹腔内感染を予防するため安全かつ清潔に介助を行う

ポイント

肝硬変患者の場合、肝炎ウィルスを所有している可能性があるため、看護師自身も感染しないよう注意する必要がある

 

(7)腹水を排液させる

 

(8)三方活栓と延長チューブを接続し、自然落下させる

 

(9)排液速度、排液量、性状の観察を行う

 

(10)バイタルサインを測定する

 

(11)最後に、気分不快の有無を確認する

 

(12)汚染した部位がある場合、清拭する


【引用・参考文献】

(1)福井次矢 他(編):体腔穿刺.三輪書店,東京,2000.
(2)真弓俊彦(編):ビジュアル基本手技 コツを覚えて必ずできる!体腔穿刺.羊土社,東京,2008.
(3)公益社団法人日本産科婦人科学会(編):日産婦誌 2007;59(6):150-151.(2016.01.04アクセス)
(4)高木康(編著):新訂版 看護に生かす検査マニュアル.サイオ出版,東京,2015:160-161.

関連記事

  • エコー(超音波)の性質と特徴 [07/20up]

    画像検査のなかでも、エコー(超音波)検査は、侵襲度が低く、簡便に行える検査です。 外来や病棟で、ナースが目にすることの多いエコー検査について、コツやポイントを消化器内科医が解説します。 〈前回の内容〉 エコー(超音波)... [ 記事を読む ]

  • 肝内胆管が拡張しているエコー像 [09/07up]

    画像検査のなかでも、エコー(超音波)検査は、侵襲度が低く、簡便に行える検査です。 外来や病棟で、看護師が目にすることの多いエコー検査について、コツやポイントを消化器内科医が解説します。 〈前回の内容〉 肝内胆管拡張症は... [ 記事を読む ]

  • FASTのエコー像(脾臓周囲) [11/09up]

    画像検査のなかでも、エコー(超音波)検査は、侵襲度が低く、簡便に行える検査です。 外来や病棟で、看護師が目にすることの多いエコー検査について、コツやポイントを消化器内科医が解説します。 〈前回の内容〉 FASTのエコー... [ 記事を読む ]

  • 脂肪肝を判断する肝腎コントラスト [12/07up]

    画像検査のなかでも、エコー(超音波)検査は、侵襲度が低く、簡便に行える検査です。 外来や病棟で、看護師が目にすることの多いエコー検査について、コツやポイントを消化器内科医が解説します。 今回は、「脂肪肝を判断する肝腎コントラスト... [ 記事を読む ]

  • 腹水穿刺(腹腔穿刺)|消化器系の検査 [10/16up]

    看護師のための検査本『看護に生かす検査マニュアル』より。 今回は、腹水穿刺(腹腔穿刺)について解説します。 〈目次〉 腹水穿刺(腹腔穿刺)とはどんな検査か 腹水穿刺(腹腔穿刺)の目的 腹水穿刺(腹腔穿刺)... [ 記事を読む ]

いちおし記事

准看護師を選んだ理由で一番多いのは?

現状に不満は?将来像は?本音が集まりました。 [ 記事を読む ]

輸液中の空気、人体に入ってしまったらどうなるの?

ルート内に空気が入った場合、どれくらいまで大丈夫? [ 記事を読む ]

人気トピック

看護師みんなのアンケート

最近の新人教育の方針は?

投票数:
822
実施期間:
2018年09月04日 2018年09月25日

休憩時間とれてる?

投票数:
757
実施期間:
2018年09月11日 2018年10月02日

寿退職したい? したくない?

投票数:
582
実施期間:
2018年09月18日 2018年10月09日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者190

88歳の女性。庭で倒れているところを帰宅した家族に発見され、救急車で搬送されました。救急隊の情報では、患者さんのそばには空の農薬の瓶があり、また患者さんの顔や口には白濁した吐物が付着し、その吐物や呼気からニンニク臭がしているとのことでした。病院到着後も流涎と発汗が著しく、振戦のような筋肉の動きが見られています。病院到着後のバイタルサインは下図のとおりです。この患者さんに対して行う最も適切な対応はどれでしょうか?

  • 1.薬物の吸収を阻害するために、気管挿管前に胃洗浄を行い、活性炭を投与する。
  • 2.SpO2低下があるが、過剰な酸素投与は肺の線維化を促進するため、最低限の酸素投与にとどめる。
  • 3.ムスカリン様作用である縮瞳や徐脈があるため、硫酸アトロピンを投与する。
  • 4.薬物を排出させるために、血液浄化療法を始める。
今日のクイズに挑戦!