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2017年05月25日

急変時のルート確保はどこにとる?

『エキスパートナース』2015年1月号<臨床の裏ワザ・裏知識>より抜粋。
急変時のルート確保について解説します。

ショック状態や、心肺停止などのときは、静脈路確保(以下、ルート確保)が困難なケースが多くなります。急変した患者さんの手足は冷たくチアノーゼ、そして駆血帯で何度縛っても、血管は見えない……という状況を、皆さんも何度か経験していることと思います。

重症患者さんでのルート確保について、確認しましょう。

 

野崎浩司
(医療法人社団明生会 イムス札幌消化器中央病院 救急センター長・麻酔科副部長)

 

〈目次〉

 

急変時には「肘正中皮静脈」が第一選択

「急変です!ルート確保もできません!」と呼ばれて病棟に行くと、患者さんの“前腕”から必死にルートを探している看護師をよく見かけます。

日ごろは患者さんの動きやすさを考えて、利き手と反対の前腕にルート確保を行っていることと思いますが、急変時などにはその配慮をいったん忘れてください。

重症の患者さんはすぐに歩き出せませんし、手を動かすことも肘を曲げることもできません。内因性であれ外傷であれ、重症の患者さんの場合には、常に肘正中皮静脈からルートを確保しましょう。

できれば18~20G(ゲージ)の太いルートを、そして可能なら両肘部に1本ずつを確保しましょう。その際の輸液は、特に指示がなければリンゲル液か生理的食塩水で準備をしてください。

肘部からの確保が難しい場合は、一般病棟の成人患者さんではあまり穿刺をしない手背からの確保もチャレンジしてみましょう。

今から10年以上前は、重症患者さんにはすぐに中心静脈カテーテルを入れるという時代がありましたが、現在、急変時にはまず末梢のルートからの輸液負荷や薬剤投与確保で対応することが、ガイドラインなどでも推奨されています(文献1)。

その第一選択が肘正中皮静脈であることは覚えておいてください。

 

神経損傷のリスクが高い場所(魔の三角地帯)に注意!

血管確保に関連して、急変や重症ではないけれど、脱水や消化管出血などが基礎にありルート確保が難しい患者さんがいると思います。

“いつも狙う前腕の血管は見えにくく、手背も失敗してしまった”。そんなときに刺したくなるのが、手関節の茎状突起のそばを走る太い静脈ではないでしょうか?(図1)。

図1左手関節部の橈側皮静脈(リスクの高い穿刺部位)

左手関節部の橈側皮静脈(リスクの高い穿刺部位)

 

看護師向けの某ホームページには『ここを選択』と書いてありましたが、私は同意できません!

それは、ここは『魔の三角地帯』であり、神経損傷のリスクがとても高い部位であるからです(図2)。知っていましたか?

図2神経損傷のリスクが高い「魔の三角地帯」

神経損傷のリスクが高い「魔の三角地帯」

 

神経損傷の頻度は32,000例に1例という報告もあれば、6,300~25,000例に1例(文献2)など、報告によりバラつきがあります。

リスクをなるべく減らすためには、前述した手関節部のように、神経と血管が伴走している部位を穿刺しないことです。

また、神経損傷を疑う症状として表1のようなことを頭に入れておき、穿刺時に少しでも神経損傷を疑ったのなら、すみやかに留置針を抜去して、主治医に報告するのが最善の策となります。

表1神経損傷を疑う症状・所見

神経損傷を疑う症状・所見

 

***

緊急時も定期の輸液も、“この部位を穿刺するしかない”ときは、そのリスクをわかったうえで行うようにしましょう(しかし、できれば刺さないのがベストです!)

 


[引用・参考文献]

  • (1)日本救急医学会ICLSコース企画運営委員会ICLSコースガイドブック改訂ワーキング編:改訂第3版日本救急医学会ICLSコースガイドブック.羊土社,東京,2012;86-87.
  • (2)高崎真弓,岩崎寛:麻酔科診療プラクティス14麻酔偶発症・合併症.文光堂,東京,2004;12-13.

[Profile]
野崎浩司(のざき こうじ)
医療法人社団明生会 イムス札幌消化器中央病院 救急センター長・麻酔科副部長
1995年旭川医科大学卒業。救急・ICU、麻酔、総合医療、医学シュミレーション教育などに関わってきました。今年から救急分野を離れ、麻酔科医に戻っています。職員に対するBLSコースや、手術室内での気管挿管「介助」実習などにも取り組んでいます。

*略歴は掲載時のものです。


本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。/著作権所有(C)2015照林社
[出典]エキスパートナース2015年1月号

P.12~「臨床の裏ワザ・裏知識」

著作権について

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  • 3.一包化した処方薬ごとに、患者さん自身で、内服する日にちと曜日を書き入れてもらい、配薬カレンダーに入れるように指導した。訪問看護師は、訪問時に配薬カレンダーを確認して正しく内服しているか確認した。
  • 4.訪問看護師が薬の袋に内服する時間を記入した。患者さん自身でその都度、ヒートのままの数種類の薬を取り出し、内服するように指導した。訪問看護師は、訪問時に残薬数の確認をして正しく内服できているか確認した。
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