「人を助けたくて、看護師になったんです」やなせたかし先生のあの作品を敬愛するナースの話|ナースの推し事(9)

 

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この連載では、さまざまな「推し」と一緒に日々を乗り切るナースに、推しのいる日常や、推しに救われた経験をインタビューしていきます。

 

第9回は、アンパンマンとばいきんまんが大好きだというユカリさん(仮名)にインタビュー!事前アンケートによると、看護師という職業を志したのもアンパンマンがきっかけなんだとか。

 

生粋のオタク気質である筆者が、じっくりお話を伺ってきました!

 

取材・文/於ありさ(ライター)

アンパンマンが大好きすぎて看護師に⁉ ユカリさんがアンパンマンから受けた影響

 

――本日はよろしくお願いします! まずはユカリさんのプロフィールを教えてください。

 

看護師3年目で、大学病院の外科病棟で勤務しています。中学生の頃から10年ほど、アンパンマンとばいきんまんを推しています!

 

――アンパンマンとばいきんまん! 推しとして名前を挙げる方には初めて出会いました。看護師を目指したのもアンパンマンがきっかけとのことでしたが…。

 

そうなんです。好きすぎて「アンパンマンのように生きたい」と思ったことが、看護師を目指したきっかけですね。

 

 

――なにか具体的なセリフやシーンに影響を受けているんでしょうか?

 

おもに、2つのシーンの影響を受けています。

 

1つは、アニメ『それいけ!アンパンマン』の第1話です。

 

幼いアンパンマンが、崖から落っこちたジャムおじさんを助けるシーンがあって。無事を喜ぶジャムおじさんとバタコさんを見たアンパンマンが、「人を助けると心が温かくなる」ことに気づくんです。

 

もう1つは、2006年公開の映画『それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ』の一幕です。

 

命を得た人形であるドーリィに、「誰だって自分が1番大切なはず。あなたが人を助けるのは、かっこよく見られたいからじゃないの?」と問われたアンパンマンが、「誰しも人を助けたい気持ちを持っているはず。僕はそのために生まれてきたんだ」というふうに返すんです。

 

「人を助けること」へのアンパンマンの考え方が現れている、この2つのシーンにすごく感動して、「私も彼のように、困っている人を助けられるようになりたい」と強く思うようになったんですよね。

 

その中でも私にできるのは、「看護師になって病に苦しむ人を助けて、闘病している人を支えることだ」と思って、看護師を目指したんです。

 

ユカリさん宅にあるDVDの一部。強く影響を受けたという『それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ』も(写真左上)

 

――アンパンマンの生き方が、ユカリさんに強く影響を与えていたんですね。

 

はい。でも、そうして看護師を目指したものの、正直、壁にぶつかることもありました。学生時代なんて、自分の不甲斐なさに泣いてばかりでしたね。実習も国試勉強もすごくつらくて。

 

特に国試直前、急に「受からなかったらどうしよう…」と不安になっていたときのことは、今でもよく覚えています。代表的なテーマソングのひとつである『アンパンマンたいそう』を何度も聴いていました

 

冒頭の「自信をなくしてくじけそうになったら、いいことだけ思い出そう」という主旨の歌詞を聴いて、心を奮い立たせていましたね。

 

アンパンマンが私の心の支えになってくれていたからこそ、つらいときも踏ん張って頑張ることができたんだと思っています。

 

グッズを収納している棚(写真左側)と、アンパンマンの絵本ややなせ先生の書籍が並ぶ本棚(右側)

 

「人生はよろこばせごっこ」看護師として働く支えとなっている言葉

――看護師の仕事に就いてからも、推しに助けられているなと感じることはありますか?

 

たくさんあります。

 

仕事も楽しいことばかりじゃないですし、「向いてないのかな」と思うこともあるのですが、そういうときも推しのことが思い浮かぶんですよね。

 

「アンパンマンなら希望を捨てない、それなら私も諦めないで頑張ろう!」って思えるし、「続けていれば、きっといいことがある」と信じることができるんです。

 

――ユカリさんの心には、常にアンパンマンの存在があるんですね。

 

そうですね。それに、アンパンマンの原作者である、やなせたかし先生の言葉も、常に心に留めています。

 

先生は生前、「ひとはひとを喜ばせることが一番嬉しい」「人生はよろこばせごっこなんだ」と語っていらっしゃって。看護師として働く中で、この言葉は本当にそのとおりだと思っています。

 

私はアンパンマンたちから、たくさんの愛と勇気、元気と笑顔をもらっています。それを看護師として患者さんに還元していく「よろこばせごっこ」をしていきたい、というのも、仕事へのモチベーションになっていますね。

 

神戸のアンパンマンこどもミュージアムに遠征したときに買い集めたというグッズたち

 

追いかけ始めたきっかけは、つらいときにアンパンマンに救われたことだった

――ユカリさんはそもそもなぜ、アンパンマンにハマったのでしょうか?

 

中学生のとき、大好きだった祖父が他界したり、両親が離婚したりと、家庭環境が大きく変わって塞ぎこんでしまった時期があったんです。

 

そのときに、幼いころ聴いた『勇気の花がひらくとき』というアンパンマンの曲をなんとなく聴いたら、その曲の歌詞があまりにも温かくて、涙が溢れて止まらなくて。

 

――アンパンマンが、つらい気持ちに温かく寄り添ってくれたんですね…。

 

そうなんです。それがきっかけで、アンパンマンの作品を観たり、楽曲を聴いたりするようになって。

 

気づいたら幼少期よりもずっと、アンパンマンのことが大好きになっていました。

 

趣味の範囲で制作しているという、アンパンマンの勇気の源である「勇気の花」をあしらったグッズ

 

底なしの博愛心と、勝利への執念。ユカリさんが語る、アンパンマンとばいきんまんの魅力とは

――ユカリさんにとって、特に大好きだというアンパンマンとばいきんまんの魅力は、どんなところなのでしょうか?

 

アンパンマンの魅力は、困っている人がいれば分け隔てなく助ける、底なしの博愛心。それに、優しさと強さをどちらも持っているところだと思います。

 

また、自分の生まれてきた意味をわかっていて、自分の生き方を決めているところもかっこいいですね。私にとって憧れの存在です。

 

趣味の範囲でたびたび描いているというファンアート。水彩の優しいタッチが素敵!

 

ばいきんまんは、アンパンマンとは対照的で、みんなを困らせちゃうキャラクターではありますが…。

 

何度倒されても「次こそは勝つぞ」という執念で、勝利への努力を惜しまず、諦めないで向かっていくんですよね。仕事でくじけそうになったときに頑張れる糧にもなってくれていますし、魅力的なポイントだと思っています。

 

――なるほど! 自分の芯を貫くという面では共通しているんですね。

 

ミュージアムで会える「動いている推し」が大好き!ユカリさんの推し活事情

2020年元旦、名古屋の「アンパンマンこどもミュージアム」にて。お正月仕様のアンパンマンと撮影した、貴重な1枚!

 

――ユカリさんは普段、どのような推し活をしているのでしょうか?

 

アニメ・映画・楽曲鑑賞やグッズ収集はもちろん、全国にある「アンパンマンこどもミュージアム」に通っています。

 

それから、作者であるやなせたかし先生のふるさとにある聖地巡りをして、画集や絵本や書籍を集めたり…。

 

ほかには、ミュージカルを鑑賞したり、企画展を見に行ったり。趣味の範囲で推したちの絵を描いたり、自分用のグッズを作ったりもしています。

 

――すごい幅の広さ…! 特に力を入れている活動はありますか?

 

ミュージアム通いと遠征ですかね。月に3〜4回、コロナ禍以前は多い時で週2回ほど足を運んでいました。

 

全国5カ所のアンパンマンこどもミュージアムで押せるスタンプ。「遠征を重ね、すべて集めました!」とのこと

 

動いている推しに会えるのが、たまらなく好きなんですよね。コロナ禍以前は一緒に写真を撮ってくれたりもしましたし、子どもたちと触れ合う姿を見るのも最高でした。

 

いつも一眼レフを持って行って、撮影した写真を家で見返して、かっこよさやかわいさに悶えています(笑)

 

――かっこよさやかわいさ、というと?

 

アンパンマンもばいきんまんも、見た目上の表情は変わらないんですが、角度によって見え方が全然違うんです。

 

何かを決意しているように見えたり、嬉しそうな笑顔に見えたり。撮影した写真を見返すと、色んな見方ができるんですよね。

 

それに、アンパンマンとばいきんまんの関係性も大好きなんです。

 

ばいきんまんはアンパンマンのことを好きじゃないのに、アンパンマンは誰に対しても平等に優しいから、そんなこと気にせず振る舞っていて…。その温度差が愛おしいんですよね。

 

最近は、一眼レフで撮影したお気に入りの写真をチェキに出力して飾っているそう

 

――推し活と仕事の両立は、どのようにしているんでしょうか?

 

基本的にはシフトが出た後で、自分が抱えている仕事や課題の量を加味して、ミュージアムやイベントに行く日を決めています。

 

休みは多い方なのですが、委員会や課題などがあったりで、休みの全部を趣味につぎ込むのは難しいんです。

 

仕事との両立は大変な面もありますが、隙あらば推しに会いに行って、元気をチャージしています。

 

――最後に、ユカリさんにとって推しとはどんな存在でしょうか?

 

私にとって、アンパンマンは人生であり、生きがいです。アンパンマンに出会わなかったら、今の私はきっと存在していなかったと思うくらい大きな存在です。

 

これまでも、これからも、おばあちゃんになっても、きっとアンパンマンのことを大好きでいると、自信をもって言えます。

 

アンパンマンのように、看護師として1人でも多くの人を助け、笑顔にできるように、これからも頑張っていきます!

 

今までに観た映画のパンフレットたち。ユカリさんの語る言葉ひとつひとつから、アンパンマンの「愛と勇気」をひしひしと感じました

 

ここまでがっつりアンパンマンの話をすることは、この日が人生で初めてでした。

 

しかし、ユカリさんが語ってくださる詳細なエピソードや、アンパンマンの温かさを秘めた言葉の数々に、アンパンマンは子どもたちだけではなく、誰にとってもヒーローなんだと、改めてその魅力に気づかされた気がします。

 

アンパンマンのように強く、優しい心を持ち続けたい。そう共感する方は「子ども向けだから」と思わずに、久しぶりに視聴してみてはいかがでしょうか。

 

執筆

ライター於ありさ

エンタメ系のインタビューライター。Walkerplus・テレビジョン・マイナビなどで執筆中。サンリオ/男性アイドル/ラジオ/テレビ/お笑いなど多方面のオタク。

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