使用ずみの注射針にキャップをせずに廃棄するのはなぜ?|注射

 

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。

 

今回は注射針の廃棄に関するQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

使用ずみの注射針にキャップをせずに廃棄するのはなぜ?

使用ずみの注射針にキャップをせずに専用容器に廃棄するのは、針刺し事故を防ぐためです。針を手で注射器から外すことも厳禁です。ディスポーザブルの注射器・針は、医療廃棄物の基準に従って廃棄しなければなりません。

 

図1使用ずみの注射針の廃棄

 

memo針刺し事故

針刺し事故を起こしやすいのは次のような場面です。

 

  • 採血後、針にリキャップをしようとした時
  • リキャップした針がキャップから突き抜けていた時
  • 床に落ちた針を手で拾おうとした時
  • 穿刺の際に患者が思わず手を払いのけた時
  • 抜去後に針を処理しようと手に持った時

血液によって感染するのは、HIVウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなどです。

 

針刺し事故が起きた時は、ただちに刺入部の周囲を圧迫して血液を搾り出し、流水で洗い流したうえで、職場責任者・責任医師に報告します。自分の血液検査を行い、不明な点があれば患者の血液検査も行います。その後の血液検査は、感染危険のウイルスによってやや異なりますが、事故直後、2週間後、1カ月後、2カ月後、3カ月後と定期的に行います。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

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