体のどこの温度を一定にする必要があるの?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。

 

今回はヒトの体温について説明します。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

 

体のどこの温度を一定にする必要があるの?

寒い時に手袋をしないで外に長くいると、手の温度は20℃前後にまで下がることがあります。また、腋窩で体温を測る時に脇を開いて外気にさらしていては、いくら体温計をきちんと挟んでも、なかなか目盛りは上がりません。

 

このように、私たちの体の温度は外気によっても、姿勢によっても変化します。恒温動物といっても、体のすべての部位が常に同じ温度ではないのです。

 

図1温度分布図

温度分布図

 

Aschoff,Wever:Nat.Wiss.,45:477,1985 より

 

体温は、体の表面に近い部分と内側では異なります。肝臓腎臓、消化器などの臓器は常に働いているため、代謝が盛んであり、熱の産生量も多くなります。

 

これらの部位で測定される体温を深部(心)温度といいます。実際に体内臓器の温度を常時測定するのは不可能ですが、最も核心温度に近い直腸の温度は37℃を超えます。

 

筋や皮膚は熱の産生量が少ないうえ、熱の放散が簡単に行えるため、比較的低い温度を示します。このため、直腸温と腋窩温は1℃近くの差があります。

 

体温を一定に保つという時、どこの部位の温度が一定になる必要があるのでしょう。それは、様々な生命活動の中枢であり、ホメオスタシスの司令塔でもある脳です。

 

外気温が20℃でも、35℃でも、脳内の温度は37℃に保たれています。脳の温度が33℃以下に下がると低体温として意識が失われ、42℃以上では高体温として脳の障害が起こることがあります。

 

メモ1測定部位による体温

測定を行う部位による温度は、直腸>口腔>腋窩になります。平均的な体温は深部体温である直腸が37.2℃、口腔が36.8℃、腋窩が36.4℃です。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

この記事をシェアしよう

看護知識トップへ