脳槽ドレーン | ドレーン・カテーテル・チューブ管理

ドレーンカテーテル・チューブ管理完全ガイド』より転載。

 

今回は脳槽ドレーンについて説明します。

 

 

藤巻高光
埼玉医科大学医学部脳神経外科教授
大内道晴
埼玉医科大学国際医療センター看護部(CICU)看護師長

 

〈目次〉

 

脳槽ドレーンの適応と目的

脳動脈瘤破裂に伴うクモ膜下出血の場合に、クモ膜下腔に広がった血液が徐々に分解される。この分解産物が動脈に影響して、脳血管攣縮(cerebral vasospasm、スパズム)を生じると考えられている。

 

クモ膜下腔に広がった血液を髄液とともに体外に排除し、その後に起こる脳血管攣縮を予防あるいは少しでも軽減しようとする目的で行われるのが脳槽ドレーンである。

 

血液の洗い流しを早める目的で、脳室ドレーンから人工髄液や乳酸加リンゲル液の注入も行われる。この場合、脳槽ドレーンが流出路となる(灌流)(『脳室ドレーン』図1、2参照)。

 

後述するが、開頭術が行われないコイル塞栓術の術後では、腰椎のクモ膜下腔へ挿入したドレーンから血性髄液を排除する。

 

脳槽ドレーンに用いる器材

通常は、脳室ドレーンと同様の器材が用いられる。

 

脳槽ドレーンの抜去のめやす

クモ膜下出血の量にもよる。筆者らは出血量があまり多くないときでも2週間程度の留置を原則と考えている。

 

ケアのポイント(脳槽ドレーン)

1固定

脳室ドレーンと同様の管理が必要である。高さの管理が重要である点も同様である。

 

一般的にはクモ膜下出血の術後には、血腫を洗い流すために脳槽から髄液を流出させることが大切である。つまり脳室ドレーンより脳槽ドレーンの圧設定を低くする(ドレーンの高さを低い場所とする)のが通常である。

 

2ドレーン挿入中の観察・異常の対処

脳室ドレーンと同様の観察が必要であるが、それに加え注意すべきことがある。特にクモ膜下出血の分解産物を洗い流す目的で前述の灌流が行われている場合、流出量は灌流のために流し込んだ液体量より多くなくてはいけない。もしin>outであると、in-out差の液体は頭蓋内に残り、頭蓋内圧の亢進を生じる。

 

流出量が流入量より少ない場合、ドレナージ回路の途中が折れていないか、閉塞がないかなどを確認のうえ、一時灌流液の注入を中止して、医師に報告して指示を仰ぐ。

 

排液の量・性状は、脳槽ドレーンは、ほとんどがクモ膜下出血の術後挿入されることが多いため、通常は「淡血性」である。徐々に赤い色調は薄くなってくる。

 

3排液の処理

脳室ドレーンと同様である。

 


本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。/著作権所有(C)2015照林社

 

[出典] 『ドレーン・カテーテル・チューブ管理完全ガイド第一版』 (編著)窪田敬一/2015年7月刊行/ 株式会社照林社

この記事をシェアしよう

看護知識トップへ