清拭(せいしき)のポイント|根拠から学ぶ看護技術
『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は清拭のポイントについて解説します。
江口正信
公立福生病院診療部部長
清拭のポイント
清拭は、入浴のように湯につかることはできませんが、温熱と水分を含むタオルや洗浄剤の効果で、身体の清潔がはかれます。また、エネルギーの消耗による疲労感は入浴よりも少ないため重症の患者にも適用できます。
また、清拭は、患者と看護者のコミュニケーションをはかる機会となったり、患者の全身の観察もごく自然にできます。清拭時のポイントをあげると次のとおりです。
①患者に疲労感を与えないように、体位変換を行なう。
②洗面器にはできるだけ熱い湯を準備する(50~54°C)。
③保温力を高めるために、タオルを重ねて用いる。
④ウォッシュクロスを手に巻いて使用する(爪がかくれ、拭く面に厚みがでる、クロスの端が患者の皮膚に触れない、図1)。また、絞ったウォッシュクロスは、できるだけ患者の皮膚から離さず密着させて拭く。
⑤筋肉の走行に沿って拭く。
⑥洗浄剤をよく泡立てて拭いた後、十分な拭き取りを行うため、ゆすいだきれいなウォッシュクロスで3回拭く。
図1ウォッシュタオル

図2顔の清拭のポイント

図3胸部・腹部の清拭のポイント

図4背部の清拭のポイント

※編集部注※
当記事は、2017年1月3日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術 第2版』 (編著)江口正信/2024年5月刊行/ サイオ出版


