浣腸は無菌操作でなくてもよいのはなぜ?

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は浣腸に関するQ&Aです。

 

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

浣腸は無菌操作でなくてもよいのはなぜ?

 

健康人の大腸内には、腸内細菌叢により細菌が常在しているので、無菌操作をしても意味がないためです。

 

〈目次〉

 

胃・十二指腸が無菌なのは

健康時では、通常および十二指腸はほとんど無菌です。おそらく、胃液のpHが低いため酸に弱い菌は死滅し、腸の蠕動運動により、細菌はあまり増殖しないうちに小腸下部に送られるからだと思います。ただし、胃潰瘍胃炎などの症例では、胃粘膜にヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)とよばれる菌がしばしば認められます。

 

浣腸が無菌操作でなくてよいのは

また、回盲弁を境として、大腸では腸内細菌叢の著しい変化が起こり、細菌数は急激に増加します。したがって、大腸には多数の細菌がいるため浣腸は無菌操作でなくてもよいわけですが、イリゲーターが高すぎたり、浣腸液の量が多すぎた場合に、浣腸液が回盲弁を逆行して回腸内へ入る危険性があります。

 

大腸の内容が回腸へ逆行すると、細菌性小腸炎などが発症する原因となりますので注意を要します。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

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