保温をする際、1時間に1度程度、体温が上昇するように行うのはなぜ?

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は保温に関するQ&Aです。

 

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

保温をする際、1時間に1度程度、体温が上昇するように行うのはなぜ?

 

低体温状態から急激に体温を上げると、末梢血管の拡張による血圧低下によってショック状態(ウォームショック)となるためです。

 

〈目次〉

 

急激な体温上昇で起こる問題点とは

低体温状態から急に体温を上げようとすると、末梢血管の急激な拡張によって血圧が低下しショック状態(ウォームショック)となったり、また低体温でよくみられる脱水状態での急激な体温上昇は、組織酸素需要量の増加によってショック状態となります。さらに急激に体表を暖めることによっても、末梢血液が環流し、中心体温が低下することがあります。

 

保温あるいは低体温状態から体温を上昇させようとする際には、1時間に(0.5~)1度程度の体温上昇を目安とします。

 

低体温症とは

低体温症は深部体温が35℃未満である状態を指し、疾患をもたない寒冷暴露による深部体温の低下による偶発性低体温症(一次性低体温症)と、薬物投与やある種の疾患、栄養失調による二次性低体温症に分けられます。

 

また低体温症は、軽度(深部体温:34~35℃未満)、中等度(深部体温:30~34℃未満)、重度(深部体温:30℃未満)に分類され、軽度あるいは中等度で還流リズムを有するものは、加温手技や毛布などでカバーする体表からの能動的体外復温を行います。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

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