腋窩、口腔、直腸のそれぞれに測定する部位が決まっているのはなぜ?

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は体温に関するQ&Aです。

 

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

腋窩、口腔直腸のそれぞれに測定する部位が決まっているのはなぜ?

 

同じ測定部位でも温度差があるためです。

 

〈目次〉

 

測定部位が決まっているのは

体温の測定の原則は、なるべく高温部位で測定することです。そのため、同じ測定部位においても温度分布を知り、温度の高い部位で測定しなければなりません(図1参照)。

 

図1部位による温度分布

部位による温度分布

 

腋窩検温の測定部位は

腋窩の皮膚温の分布は、腋窩の深部が最も高く、次に上腕二頭筋および大胸筋で、最も低いのは、上腕三頭筋および広背筋です。

 

したがって、体温計の先端部の金属キャップを、腋窩の真ん中よりもむしろ心持ち前のほうに当てることが必要です。挿入方向は、前下方から後上方に向かって、なるべく腕の長軸に平行に近いように挿入し、体温計の先が後ろに突き出ないように注意します。

 

口腔検温の測定部位は

口腔も腋窩と同様、場所によって温度差があります。最も高いのは舌下であり、体温計を挿入する際、先端部をやや奥のほうに当てるようにして斜めに挿入します。

 

直腸検温の測定部位は

直腸の検温で最も大切なことは、挿入の深さです。浅く挿入するよりは、深く挿入するほうが高温を得られるわけですが、普通、成人では5cm、乳児では2~3cmといわれています。

 

それ以上深く挿入すると直腸を傷つけてしまうため注意が必要です。そのため体温計に目印をつけておくと、いつも一定の深さで測定することができます。

 

鼓膜検温の測定部位は

鼓膜から放射されている赤外線をセンサーが瞬時に検出し、鼓膜温を測定しています。

 

じっとしていることが難しい乳幼児では、短時間(約1~3秒)で測定できること、外耳道が短く太いため鼓膜を捉えやすいといった理由から利用されています。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

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