「体温」「呼吸」「脈拍」「血圧」をバイタルサインとよぶのはなぜ?

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は「バイタルサイン」に関するQ&Aです。

 

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

「体温」「呼吸」「脈拍」「血圧」をバイタルサインとよぶのはなぜ?

 

生理機能のうち、この4つがいつでもどこでも容易に外から見分けられやすく、全身状態を把握できるためです。

 

〈目次〉

 

バイタルサインとは

バイタルサイン(vital signs)を日本語に直訳すると、vital=生きている、signs=しるし・徴候という意味になります。つまり、「生体が生存していくために必要な基本的生理機能を保持していることを示す徴候」ということです。

 

バイタルサインを測定する意味とは

看護とは、患者の「生活の援助」「基本的ニーズの充足」を主な目的としていますが、その基盤には常に生命を維持することが大前提となっています。

 

多くの疾患は、この生命維持の基本をなす循環、呼吸機能などに影響を及ぼすので、常にバイタルサインを観察することによって、生命の危機および異常を早期に発見し、対処しなければなりません。また、バイタルサインは動的なものなので、日常生活動作に伴って変動します。

 

「生活の援助」に重きをおく看護においては、生活現象としてとらえることも重要です。循環や呼吸に異常のある患者にとって、日常生活動作がどの程度身体に影響を及ぼすのか、またその患者の予備能力はどの程度なのかを知っておけば、個々の患者にあった生活援助計画を立てて、適切な生活指導をすることができるからです。

 

つまり、1日の測定する回数や時間を決め、バイタルサインを測定し、アセスメントすることで患者にとって最も適切な看護計画を立てることができます。

 

バイタルサイン測定上の注意点は

バイタルサインは、生体の基本的な生理活動が機能しているかどうかを示すものです。したがって、その観察にあたっては細心の注意をもって、一つひとつの徴候を確実に把握する必要があります。

 

それだけでなく、バイタルサインはお互いに密接に関連し合っているので、一つひとつのサインから得られた所見が、お互いにどのように関連しているかを考慮しながら、総合的に判断することが大切です。

 

バイタルサインの相互関係は図1のように示すことができます。

 

図1バイタルサインの相互関係

バイタルサインの相互関係

 

ここでは、患者の状態を把握するうえで、より実際的なものとするために「意識障害」との関連も示しています。これを見ると、いかに相互に関連し合いながら、水・電解質代謝、呼吸・循環・代謝機能を調節し、全体の生理機能を保持しているかがわかると思います。

 

また、測定時には患者に対してその必要性を十分に説明し、プライバシーを保護しながら安全・安楽を心がけながら実施します。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

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