ナースのチカラ~私たちにできること 訪問看護物語~【6-2】

ママナースもも子』でお馴染みの広田奈都美さんが描く、訪問看護師マンガ。

単行本6巻の発売を記念して、月刊誌『フォアミセス』より特別転載でお届けします!

所長になることを打診され、迷っている持田さん。一方、持田さんの天敵・深原さんは、訪問先での看取りの様子に戸惑ってしまい……

 

前回のあらすじ

 

 

「……そうか…持田さんは所長になるのか」と考え込むように話す馬場さんに「えっ全然そんなの決まってないですよ」と持田さんが言いました。しかし馬場さんは「いや…僕は師長のことは昔からよく知ってるから…君と一緒にこのステーションを作る時からいずれは君にって思ってたんじゃないのかなー」と持田さんが師長になるだろうということを話しました。「感慨深いなぁ……」「ハハハ…あの何も決まってないですからね」とはぐらかす持田さんに「君はしっかり優等生だから道を踏みはずしたりそういうことはない分人生の振り幅はないから…チャレンジできることはすべてするくらいでちょうどいいと思うよ」と馬場さんが言いました。

 

馬場さんからの言葉に「……」と持田さんは何も言えませんでした。場面が馬淵さんと深原さんに戻ります。「今日は一人お看取りの方がいらっしゃってます」訪問先に向かいながら馬淵さんが伝えました。「…看取り……もうすぐなんですか?」と深原さんが聞くと、「いえ。朝方亡くなられて息はされてないそうなので…」とすでに亡くなられていることを伝えました。「…そうですか」と言う深原さんに「緊張しますか?」と馬淵さんが聞きました。「…いえ…」と深原さんは言いますが、「大丈夫ですよ。怖いとか心配とか今のうちに言ってください」と馬淵さんが優しく言いました。

 

深原さんは少し考えて「母が亡くなった時…手がゴムみたく感じて…それがとても怖かったです」といました。馬淵さんは「あぁ…そうかも。そういう感覚はあるでしょうね…人間が人間でなくなっていくような感覚ですね…」と言いました。「そんなふうに思っちゃいけない気もするけど…やっぱり死体って怖いです」と話す深原さんに「…どうしますか?もし無理なら車で待機されててもいいですが…」と馬淵さん言いましたが「………そうですね……行きます」と深原さんは言いました。

 

訪問先に着くと、親族の方が「ああ 看護師さん。今ちょうど先生が来てくださって。中で診断書書いてもらってます」と出迎えてくれました。先生も「あぁ今書き終えて渡したところだよ。お疲れさま」とこちらに気づいて来てくれました。深原さんが部屋の中を覗くと…

 

そこには亡くなったおばあちゃんを親族みんなで囲み、顔や体を撫でながら感謝の言葉をかけていました。

 

その光景に驚いた深原さんは「…亡くなってるんですよね…亡くなってる方にあんなことしていいんですか?」と聞きました。馬淵さんは「家族なんですよ。〝亡くなった方〟じゃなくて家族なんですよ」と言いました。先生も「…ん?君、在宅初めて?僕らにとっては見慣れた風景なんだけどそうか…そう感じる人もいるかもねー」と言いました。「笑ってる人もいますね…」と深原さんは不思議そうに言いました。

 

先生は「いいよねーあんな最期がいいよ。僕も僕が死んでも家族や友達にあんなふうに可愛がられてなでなでされたい…かわいいかわいいってね!!」と言いましたが、深原さんは信じられないという表情で先生の顔を見ました。「さぁ、じゃあ皆さんでお体拭きますか?」と馬淵さんが親族の方に提案すると、「そうねーそういえばお母さんずっとお風呂に入ってなかったから…入れてあげたかったわ」と言いました。「お葬式屋さんでやる湯かんていうの?ああいうサービスやってないかしら」と聞かれた馬淵さんは、

 

「いいかも…じゃあサービスに問い合わせてみましょう」と言いました。先生も「いいねぇ~生き返っちゃうかもね!!」と言い、深原さんがまた信じられないという表情をしました。2時間後、サービスが到着し、みんなでおばあちゃんをお風呂に入れてあげました。

 

その様子を見ていた深原さんはモヤモヤ…。ついに親族の方の前で「おおおおかしいです!!」と言ってしまいました。馬淵さんは「とりあえず外いこっか…」と深原さんを連れて行きました。

 

「死者を冒涜している!!あんなに皆で死体を触って!!」と言う深原さんに馬淵さんは「…だから〝死体〟じゃないって。あのね…どんな亡くなり方が幸福かはわからないってあなた言ってたでしょ?それと同じで看取り方…弔い方もそれぞれなの。死=不幸、悲しいというのも決めつけでしょ?サツキさんは95歳でひ孫にまで面倒みてもらいながらこの家で最期を過ごしたの」と話し始めました。

 

「よくそれぞれのご家族の顔を見てほしいの。泣き笑いの顔ばかりよ。悲喜こもごも人生そのものでしょ?そして今は家族が皆で作り上げた神聖な場なの。私達 外部の者が一般の型とか常識にはめて非難するのは違うと思う」と話す馬淵さんに(役に立たない人間はゴミよ)(温かい家族なんて幻想よ、あんなの見かけだけよ)という母親からの言葉を思い出した深原さんは「な…何言ってるかわからなくて苦しいです」と絞り出して言いました。馬淵さんは「車で休んでて」とだけ言って戻りました。深原さんは(人の世話になるなんて惨めな思いするくらいなら死んだほうがまし)とまた母親からの言葉を思い出していました。

 

(人生は辛く惨めなもので世の中は矛盾に満ち不平等だ。人より秀でている人間だけが生き残りカスは死ぬしかない。頭の悪い人間は騙されて当然。優秀であることが一番。金も名誉も手に入る)と深原さんは思い出して、「そうでしょ普通に…少なくとも私の生きてる世界はそうだった。だから疎まれてきたんだと思う。私は…あぁいう一部の宗教じみた世界ってあるんだなーとしか思えない」と呟いて車で待つのでした。

 

深原さんは車の中で鳥の鳴き声が聞こえ、(ヒバリ?どこで鳴いているんだろう…)とボーっとしていました。しばらくして馬淵さんが戻ってきて、「ごめんね、終わりました」と言って車に乗り、2人は職場へ戻って行きました。

※表現の都合上、マスクなどの描写を省略している部分があります。

【3】に続く

 

 

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【著者プロフィール】

広田奈都美(ひろた・なつみ) HP

漫画家・看護師。某地方総合病院にて勤務後、漫画家としてデビュー。著書は「僕達のアンナ」(集英社)、「お兄ちゃんがコンプレックス」、「ママの味・芝田里枝の魔法のおかわりレシピ」(秋田書店)他。

 

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