【マンガ】こころのナース夜野さん(4)

(前回までのお話は▶こちら

妄想を訴える患者さん。

精神科訪問看護で「虫」から解放されたあと「医者が話を聞いてくれない」という訴えが出てきて…。

 

統合失調症の林さんから「医者が話を聞いてくれない」と相談を受けた私は、『これも妄想か?』と少し疑いつつ、通院に同行して確認することになりました。同行すると確かに担当医師は、一度も林さんの方を向かず、被害妄想でないことがわかりました。

 

 

林さんと一緒に帰る間、私は『虫がいなくなったのに、まだ隣にいる私についてどう思っているんだろ…』と思いました。しかし、林さんは自分のルールに反するからか聞いてきませんでした。林さんの家に戻り、コーヒーをごちそうになると、林さんは、「…ぼく、タクシーの運転手をやってたんです。」と初めて自身のことを話し始めました。

 

 

「無遅刻無欠席、結婚していた頃は毎日東京から大阪間くらい走っていました。」という林さんの話を聞いてますます『それなのに、なんで林さんは虫が見えるようになったんだろ…。』という考えが募りました。ある日、また通院に同席したとき、医師に「そちらは?娘さん?」と質問されたことがありました。

 

 

すると林さんは迷うことなく、「看護師です。」と伝えました。私は、林さんが自分のことを駆除スタッフではなく、看護師だと認識していることを知りました。帰り道、林さんは、「ぼく、小5から中3までずっといじめられてたんです。」とぽつりとまた過去の話をし始めました。

 

 

体育の授業でもクラスメイトにからかわれ、先生も助けてはくれませんでした。林さんは、『自分が行く先はいつも人がいない。』と感じ、その後も5年間、毎日「なんでまだ生きてんの?こうやって死ねばいいんだよ!死ね!」と言われ殴られ続けました。

 

 

林さんは、『この世界はぼくがいるところじゃないんだ。』と感じ手首を切って自殺を図ろうとしましたが、どうしても勇気がでませんでした。『飛び降りるほうができるかな。』と当時は自覚してなかったけど、徐々に高いところから飛び降りるなど、自殺の練習をしていました。

 

 

林さんは子どもの頃から孤独を感じていた人でした。林さんは、「ある程度仲良くなると自分から切っちゃうんです。あなたもよくしてくれるけど、ほんとはどう思ってるんだろうと考えちゃうんだよ。」と私に言いました。私が「そう思っている中で、こうやってお話するのはつらいですか?」と質問すると、林さんは「あなたはそんな人じゃないと思ってる。」と言い、心が揺れ動いてるのが分かりました。

第5話は、1/9(木)公開予定です。

 

『こころのナース夜野さん』が単行本になります(小学館)

2020年1月10日(金)発売!

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【著者プロフィール】

水谷緑(みずたに・みどり)HP

水谷緑

著書は「コミュ障は治らなくても大丈夫」(吉田尚記、水谷緑)「まどか26歳、研修医やってます!」「あたふた研修医やってます。」(KADOKAWA) 他。小学館「いぬまみれ」にて犬漫画「ワンジェーシー」連載。

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  1. 会話は可能であったため、意識レベルの観察は不要である。
  2. SpO<sub>2</sub>が保たれているため、酸素投与は必要ない。
  3. 傾眠傾向にあるため、覚醒を促すためにも歩行して処置台に移動してもらう。
  4. 全身の観察として皮膚色を観察した。

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