仕事辞めます!?独身ナースの選択|マンガ・ママナースもも子の今日もバタバタ日誌(86)

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一時は「辞める」と決めた松本さんですが…

退職願。それは看護師松本の自宅のテーブルの上にありました。

ぼうっとしながら松本さんは『失恋して、仕事辞めるってよーく考えたらダサすぎない?確かに病院行くのは嫌だけど、仕事ってその程度のものだったっけ?』と考えました。すると、ピンポーンとドアのチャイムが鳴りました。宅配かと思って重い腰をあげると、モニターに写っていたのは、なんと同僚のもも子でした。

もも子を部屋に入れると、松本さんはもも子に迷惑をかけたことを謝りつつも、「正直今は放っておいてほしい」と伝えました。するともも子は、その言葉を全く気がず、テーブルの退職願を見つけ、「退職願!やっぱり!これは私が預かる!」と怖い顔で言いました。「だから嫌なんだよー」と後悔する松本。

松本さんも負けじと、「辞める辞めないは私の勝手でしょ?」と声を荒げました。すると、もも子は「よく聞いて、落ち込んでいる時に物事決めちゃだめだって!私もよく考えると夫と出会った時、彼氏いなくて死にそうな時だったもん。不幸な時こそ冷静に判断すべき!辛い時こそ仕事が自分を助けてくれるって!!!」と説得しました。

「今辞めたら失恋で辞める女ってことになるよ!?それでもいいの?仕事してる女って強いよ!養ってもらわなくても自分一人で稼いで生きていけるって誇りだよ!今は仕事捨てちゃだめ。」ともも子は言いました。松本さんは、なにも言えず黙ってもも子の言葉を聞きました。

『なんか…一番言われたくない人なのに…。胸に迫ってくるやだな…』と複雑な気持ちの松本さんは、「別に辞めないよ…。ただちょっと書いてみただけだって…。気持ちを整理するために…。」と答えました。それをきいてもも子は安心したように、「なーんだ、よかった。もうこんなものいらないでしょ。」と松本さんの退職願を破り捨てました。

そしてもも子は「松本っちゃんが辞めたら私も辞める…私ももう限界だもん。」とぽろぽろと泣き始めてしまいました。松本さんは「…もも子こそ辞めたらだめだよ。かず君いるんだから。」と励ましました。そしてもも子が家に内緒で来てくれていたことを知りました。

家路に戻るもも子を送りながら、松本さんは、『私たちはどうして幸せになれないのかな。辛いことがあったってこんなに毎日頑張って働いているのになんでだろう…。こんなに友達想いでいい奴なのになんでなんだろう。』と心の中でつぶやくのでした。

 

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【著者プロフィール】

広田奈都美(ひろた・なつみ) HP

漫画家・看護師。某地方総合病院にて勤務後、漫画家としてデビュー。著書は「僕達のアンナ」(集英社)、「お兄ちゃんがコンプレックス」、「ママの味・芝田里枝の魔法のおかわりレシピ」(秋田書店)他。

 

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