【マンガ】それでも看護をする理由~Case.1 はづき~(5)

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夜勤を終えた稲本はづきと、リーダーの日野がとった行動は…。

 

夜勤中サポートに入るはずが、パニックで泣いてしまった私は、担当の同僚にお詫びしました。そのあと、パニックになった場面を見られてしまったリーダーの日野さんにもお詫びしなくてはと日野さんを探しました。見つけたとき、日野さんは屋上でおにぎりを食べている最中でした。

日野さんの隣に座り「今日は申し訳ありませんでした。」と伝えると、「そんな日もあるよ…。塩にぎり食べる?」と日野さんは、私が泣いてしまったことには一切ふれず、さらっと話題を変えてくれました。稲本だから米好きなのではないかとか、日野さんの実家が米屋でいつもおにぎりを食べている…などたわいもない話でした。

そうしているうちに、日野さんが「稲本さんとはあまり話したことなかったね。俺らチームなんだからさ、ほんとはもっとコミュニケーション取らなきゃね…良いことばっかりじゃないと思うけど…。」と言ってくれましたが、私は「男性の日野さんにはわかりませんよ。」と言葉を遮るようにつっぱねてしまいました。日野さんはしばらく黙ったあと、「わからにこともあるかもしれない。それは仕方ないことだ」と言いました。

続けて、「でも…悔しいんだよね。」と言いました。「稲本さんはいい看護をする人なのに…。だから一緒に考えたい。一緒に看護を続けられるように…。」「もう…もう考えるのはつらい…?」とゆっくりと、そして優しく言葉を選んでくれる日野さんに、私は我慢していた涙が溢れてきてしまいました。

 

 

 

そして、「本当は(亡くなってしまった患者の田中さんのところに)行きたくなくて遅れたんです。毎回身体を触られて…。間に合ったんです…すぐに行けば…あの日もわざと遅く…。そのせいでっ」と涙も言葉も溢れて止まらなくなってしまいました。すると、日野さんは「はい、そこまで。とりあえず食べなって。」と私の言葉を止めると、塩むすびを渡してくれました。

私は驚いて、ただ黙っておにぎりを受け取りました。日野さんは、おにぎりを食べながら「腹が減ってはなんとやらだよ。食べたら報告に行こう。俺も付き合うから。一人で抱えてしまったのは良くなかった、でもその先はみんなの問題だ。うやむやにしたらいけない。絶対に。話してくれてありがとう…。」と言葉をかけてくれました。

言われたとおり、おにぎりを食べると、おにぎりはすごくしょっぱくて、それを伝えると、「稲本さんが泣いたからだよ」と冗談を言われました。でもそのしょっぱいおにぎりもすごく美味しく感じました

食べ進めると梅干しが入っていることに気が付きました。「梅干し…」と言うと、日野さんは立ち上がって外を見ながら、「ああ…それね。ひとつだけ入れたんだ。あたりだよ。」と言いました。私は、そのちょっとした優しさや幸運に「ちょっと嬉しいかも…」と伝えました。

私は空を見上げました。見上げた顔の頬には、まだ涙の後が残っています。でもおにぎりを食べ終える頃には、ほんの少しだけ心が軽くなった気がしました。

【6話(最終話)】に続く

 

 

【マンガ:小暮さきこ】

漫画家・デザイナー。

2008年に漫画家デビュー。

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原案:坂本綾子(看護roo!編集部)

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