“できない”立場|〈マンガ〉モンスター患者~みんなが困り果てた金田さんのこと~【8】

持田さんの指摘には、納得できる部分とそうでない部分があって…。

(▶これまでのお話

 

マンガ・モンスター患者~みんなが困り果てた金田さんのこと~

Vol.8 “できない”立場

持田さんとの会話で、自分の過ちを感じた私は、『持田さんの言う通りだ、私…理解しようとせず防御に回ってしまった…。でも…そうなったのも理由がある。』と考え、「私、常々思っていたんですけど…。例えば、理不尽なクレームや人権侵害があった場合でも、私達看護師や介護士は我慢するだけで、私達を守る人はいないんです。」と正直な気持ちを伝えました。特に介護の場での、利用者様と言ってお客様として扱う向きが強いという現状に対し、「でも、それはおかしい!と思っていて、雇用者や責任者は、私達スタッフを守るべきだと思うんです。私も以前所長に頼んだことがあったんです…。」「せめて所長は…私達を守ってほしいと。」と所長との会話を思い出して言いました。

 

当時私の訴えを聞いた所長は、「やっているつもりですよ…!僕だってどうしたらいいかって悩んでいるんです。」と板挟みになって悩んでいた様子でした。私は、『確かに、私の様にある程度、人生経験があるならともかく、年齢の若い所長には荷が重いのかも…。』と所長の気持ちも理解しながらも、何とかしなくちゃと思った結果、金田さんを責めてしまったという経緯を持田さんに言いました。話を聞いた持田さんは、「それはわかるわ…。こういった場合、一番の責任は師長や所長にあって、その人達がスタッフを守るべきだったと思う。でもやり方は違う気がするな…。」と考えながら、「あなたの他にも好かれていたスタッフがいたでしょ?それには理由があるはずよ。」と言いました。

 

『理由?』と持田さんの質問を理解していない私に、「例えば、話題にする内容とか、好かれている人達は無意識だろうけど、金田さんに対して気をつけていたことがあるでしょ。」と金田さんから問いかけられました。私は、「私は…本当に尊敬していました。どんな状況であれ、長年看護師を続けられるってすごいことで。だからどんなふうに仕事されたのか、勉強したくてよく聞いていました。」と金田さんとの会話を思い出しながら答えました。

 

ナースならではの会話をしたり、あと載帽式の時の写真を持ってきてくれようとしたり、今思うと…金田さんはナースという仕事が大好きだった…ということに気付いた私は、『介護士を馬鹿にしたりするのも、良いことではないけど、自分の仕事に誇りを持っていた証なのかも』と感じました。その様子を見ていた持田さんは、「金田さんが何を大事にしていたか、理解して尊重するの。それであなたは、わかったんだから皆と共有しなくてはいけなかったと思う。」と言いました。

 

『共有?』とまたしてもぴんときていない私に、「金田さんはこういう話題をすると喜ぶとかこうなだめて下さい。とかそういった話を他のスタッフと共有するのよ。」と持田さんは説明しました。納得した私は、『あぁその通りだ…看護学生みたいなことを指摘されて…』とやるせない気持ちになりながら、「でも、なんか図々しくないですか?パートだし、えらくないし…。」と答えました。『ただでさえ、あれこれ言わないように抑えていた…。人に物を言える立場にないと思っていて…でも言ってしまったからこんなことになってしまったんだ。』と考え込んでしまいました。

 


【著者プロフィール】

広田奈都美(ひろた・なつみ) HP

漫画家・看護師。某地方総合病院にて勤務後、漫画家としてデビュー。著書は「僕達のアンナ」(集英社)、「お兄ちゃんがコンプレックス」、「ママの味・芝田里枝の魔法のおかわりレシピ」(秋田書店)他。

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