仕事ができる看護師になる! 「頼り上手」になる3つのコツ

相談する看護師の画像

「困った時に、先輩に相談しづらい」

「先輩に頼りたいけれど、どんなふうに声をかければいいか分からない」

「相談して嫌な顔をされたらどうしよう」

 

仕事中、このような不安を感じる場面は多いのではないでしょうか。

 

仕事ができる人とは、自分だけでは対応しきれないかもしれないと思った時に周囲に頼るのが上手い人のことだ、と私は考えています。

 

今回は、現場で良好な人間関係を築きながら、上手に周囲に「頼る」コツを解説していきます。

 

「頼る」ための3つのポイント

誰かの助けを借りたいと思った時、大切にしたいのは以下の3点です。

 

  • 頼る「相手」

  • 頼る「タイミング」

  • 頼る時に使う「言葉」

 

頼る「相手」の選び方

相談したい内容によって、相談すべき相手は異なります。

まず、「相談したいことについて、相手は詳しい知識を持っているか」を考えましょう。

 

的確な助言や助けをもらうためには、相手がその前提となる詳しい知識を持っているかどうかが重要なポイントです。

あまり詳しくない人に相談し、かえって悩みが迷宮入りしても、「じゃあ別の人に相談するので、もういいです」とはなかなか言えません。

 


次に、「相談することで、相手に不利益はないか」を考えます。

 

相手があなたからの相談に乗ることで、相手と誰かの関係にヒビが入ったりする、そんな不利益が生じてしまわないかどうか、少しだけ考えるのが大切でしょう。

 

例えば、ある手技について、普段指導をしてもらっているプリセプターではなく別の先輩に相談しに行ったとします。

プリセプターの先輩によっては「なぜ他の人に?」と不思議に思うでしょうし、手技を教えた先輩に対しても「なぜ勝手に教えたのだろう」と思うかもしれません。

教えた内容がプリセプターの考えに合わないものだったとしたら、なおさらトラブルにつながる恐れがあります。

 

相談した結果、相手や別の誰かがどう思うかを考えることも重要です。

 

 

また、「頼られることを喜ばしく思ってくれる相手」を選ぶことができたら、より望ましいでしょう。

 

「これは自分の得意分野だ、よくぞ聞いてくれた」と思ってもらえたら、その人はあなたを積極的に助けてくれます。

 

相手が前向きに相談に乗ってくれるため、あなたにとっても「相手の負担になっているのではないか」という、不安からくるストレスが軽減されます。

相談する様子のイラスト

 

頼る「タイミング」の選び方

相談する前に、相談したい相手が今何をしているか、どのくらい忙しいか、を観察してみましょう。

 

相手が急ぎの用事を抱えている真っ最中に、それほど緊急性のない相談ごとを持ちかけるのは得策ではありません。

 

余裕がある時なら愛想よく応対してくれる先輩でも、忙しい夜勤明けで疲労困憊の時は、冷たい対応が返ってくるかもしれません。

 

ひとたびそんな場面を経験すると、次から同じ相手には相談しにくくなるものです。

 

他人に頼るのが上手でない人は、得てして「観察」という事前準備が足りていなかったりします。

 

相談する前に相手の状況を踏まえることで、よりスムーズにサポートしてもらえます。

 

頼る時に使う「言葉」の選び方

「誰かに相談すること」は、「誰かの時間を奪うこと」です。

 

相手の時間を大切にするためにも、なるべく最初に手短に要件を伝える必要があります。

 

おすすめしたいのは、「どんな種類の話題か」を最初に述べることです。

 

伝え方の例

「〇〇さんのケアのことで、報告したいのですが…」

「〇〇の発表のことで、先輩のご意見を伺いたいのですが…」

「〇〇のことで、一つお願いしたいことがあるのですが…」

 

上記のように、最初に「何についての話題か」と、「報告」「連絡」「相談」「依頼」などの種類について、相手に伝えるようにしましょう


忙しい相手にとっては、「何の話をしたいのか分からない」という状況が最もストレスだからです。

 

コミュニケーションのスキルは誰でも磨ける

現場で良好な人間関係を築くには、「コミュ力」のような漠然とした「力」ではなく、この記事で書いたような、言葉で説明できる技術としての「スキル」が大事です。

 

このスキルは、知識さえあれば誰でも磨くことができます。

ぜひ参考にしてみてください。

 

 

執筆

田附興風会 医学研究所北野病院 消化器外科/腫瘍研究部 医員・研究員山本健人

医師・博士(医学)。平成22年京都大学医学部卒業後、複数の市中病院勤務を経て、現職。 医療情報サイト「外科医の視点」を運営し、累計1200万PV超。資格は外科専門医、消化器外科専門医、消化器病専門医、内視鏡外科技術認定医(大腸)、がん治療認定医 、感染症専門医など。
「外科医けいゆう」のペンネームで、TwitterInstagramFacebookを通して様々な活動を行い、読者から寄せられる疑問に日々答えている。

 

編集:宮本 諒介(看護roo!編集部)

 

 

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