看護師不足、「20年後」にはさすがに解消…しないの?|看護roo!ニュース
「看護師が足りない…!」と言われ続けている看護の現場。
看護師の数そのものは毎年増えているのに、それ以上に増えるニーズに追いつかない状態です。
そして、若手ナースのみなさんがベテランになる「2040年」になっても、看護師不足は深刻かも…と思わせる予測が発表されました。
「5人に1人」が医療・福祉従事者に
この予測が示されているのは、2020年版の厚生労働白書。
白書では「2040年に医療・福祉を取り巻く環境はどうなるか」などがまとめられています。
それによると、高齢化が進む2040年には、医療・福祉分野で働く人材として1070万人が必要になると予測されています。
現状より250万人ほど増やさなければならない計算です。
ただ、特にニーズが伸びるのは介護従事者で、必要な1070万人のうち医療従事者に当たるのは330万人ほど。その数自体は現状から大きく増えるわけではありません。
けれども、今後はそもそも若い世代の人口が減っていく時代。
「働き手の5人に1人が医療・福祉の担い手になる必要がある」という2040年に向けて、いかに看護師を確保するかはそう簡単ではなさそうです。
5年後には最大27万人の看護師が不足する
もうひとつ、今回の白書とは別に、厚労省は「2025年に必要な看護職員の数」の推計値を出しています。
その推計では、5年後の2025年に「最大27万人の看護職員が不足する」という未来も描かれています。
2025年は団塊の世代が75歳以上になって医療ニーズがピークを迎えるころとはいえ、かなり厳しい数値と言えるでしょう。
だからこそ看護師が働きやすい環境を…!
5年後あるいは20年後、もしもこの「看護師不足が広がるパターン」が現実になってしまったら――。
現場は疲弊し、さらに離職者が増えるなど、悪循環が起こる可能性も考えられます。
それを防ぐためにも、看護師の確保対策はさらなる強化が必要です。国は、
- 新しく看護師になる人を増やす(新規養成)
- いま看護師として働いている人の離職を防ぐ(定着促進)
- 潜在看護師の復職をサポートする(復職支援)
という3つの方向から対策を進めていますが、その効果を着実に挙げるほか、根本から業務を効率化するような改革も不可欠になってくるでしょう。
看護師が働きやすい環境づくりは、2040年の医療を守るための対策とイコールです。
看護roo!編集部 烏美紀子(@karasumikiko)
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(参考)
令和2年版 厚生労働白書(厚生労働省)
「2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)」に基づく マンパワーのシミュレーション(厚生労働省)
医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会 中間とりまとめ(厚生労働省)
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