保育園看護師（前編）｜病院外の看護現場探訪【1】

2013/04/03

病院やクリニックに限らず、介護施設や福祉施設など看護師さんが活躍する職場はどんどん広がりを見せていますね。

今回からお届けする「病院外の看護現場探訪シリーズ」では、医療機関以外で働く看護師さんのお仕事の様子をご紹介します。

第1回目は保育園。

「体調管理だけでなく、一緒になって遊ぶのも仕事のうち」とか。その実態は？

ケアだけでなく、子どもたちとふれあう仕事

「子ども好きの看護師にはとっては、すごく働きがいのある仕事場です」

ご自身の仕事についてこう語るのは、看護師として保育園に勤務する藤森康子さん（仮名・27歳）。

看護師資格を取得後、小児科、産婦人科と、子どもと関わりのある病院施設で仕事をしてきました。結婚のため転職をし、出産を機に育児を行いながらも長く仕事を行うことを考え、埼玉県日高市にある日高どろんこ保育園へ転職し、現在に至ります。

看護師専用Webマガジンステキナース研究所 | 病院外の看護現場探訪【1】保育園看護師（前編）

乳幼児のバイタルチェック。園児の健康管理は第一の業務です

「保育園での私の仕事は、園児の健康状態や衛生管理の確認、ケガをしたり具合が悪くなったりした園児への対応、受診が必要な場合の受診の付き添いです。かかりつけ医による内科健診や歯科検診のサポートも業務に含まれます」

日高どろんこ保育園は、「どろんこになるくらいで遊ばせ、自然とのふれあいからさまざまなことを学ばせる」という、野趣あふれる教育方針をとっています。そのため、園児たちの健康管理には特に気をつかうそうです。

「園児たちの体調に常に注意するのはもちろんのこと、厨房その他の衛生管理、消毒の徹底には十分すぎるほど注意を払うようにしています。毎月、法人のチェックリストにもとづいて『衛生自主点検』を行い、園全体の消毒・清掃・害虫駆除・児童衛生環境整備を行っています。現在、看護師は私一人ですので、こうした作業で一日の大半が割かれることもあります」

こうした「医療従事者としての仕事」をこなす一方で、子どもの相手をすることも仕事のうちだといいます。

「園児と遊んだり、泣いている園児をあやしたり。乳児も多いので授乳をしたり、オムツを取り替えたりすることも多いです。特に0歳児を相手にする場合は、保育士さんの仕事とほとんど変わらないかもしれませんね」

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大勢の子どもたちと同時に接するのは、病棟勤務の頃にはなかった難しさがあるそうです。

「病棟に勤務していた頃は、一人の患者さんを一対一で診ることが中心で、大勢を見ながら相手と接するということがありませんでした。ですが、保育園では大勢の子どもを見ながら、それぞれの事情にあった対応をするということが求められます。保育園の看護師の仕事というと、『ナースステーションや学校の保健室のようなところがあって、そこにずっと待機している』というイメージを持たれている方もいるのですが、少なくともこの園ではそうではありません。保育士さんと一緒に子どもたちと遊んだりすることも仕事のうちです」

―子どもが好きで、園児たちと遊ぶことが楽しいという藤森さん。

次回は、園内での他のスタッフとの関わり方や、仕事のやりがいについて伺います。

（取材協力：社会福祉法人どろんこ会）

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