医療職のストレスはあらゆる面でトップクラス?!過労死等防止対策白書から読み解く

政府は初めてとなる「過労死等防止対策白書」を10月に閣議決定しました。

 

白書を読み解くと、もっともストレスの強い業種として「医療・福祉業」が挙げられるなど、医療職が疲労度・ストレス度、そして労災認定度のいずれの面においても、過酷な労働環境にさらされていることが改めて浮き彫りになりました。

 

 

強いストレスを抱えた人が4割超

白書によれば、労働者(正社員)調査において、勤務状況や自覚症状からわかる疲労の蓄積度が「高い」、「非常に高い」と判定される割合は、「宿泊業・飲食サービス業」(40.3%)が最も高く、次いで「教育・学習支援業」(38.9%)、「運輸業・郵便業」(38.0%)、「医療・福祉業」(36.7%)と、医療職は職種別で4番目に疲労の蓄積度が高くなっています。


一方で、ストレス状況の調査では、ストレススコアが高かった回答者を業種別にみると、「医療・福祉業」(41.6%)が最も高く、他業種が軒並み30%台なのに対して突出して高い結果であることがわかりました。

 

これらの調査から「医療・福祉業」は、“疲労の蓄積度”と“ストレス状況”のいずれにおいても、他業種より過酷な状況にあることがわかります。

 

うつ病等による労災請求もトップクラス

医療職の労働環境の劣悪さは、以前から問題視されていました。

 

実際に、強いストレスなどによって精神障害を発症して労災請求をしている業種のトップは「社会福祉・介護事業」、2位が「医療業」となっています。

 

職種別でも、ストレスによるうつ病などで労災請求しているのは「介護サービス事業者」が5位、「保健師・助産師・看護師」は9位に上るなど、他職種と比べて高いことがわかります。

 

わずか1%の医療職が労災認定の半数占める異常さ

医療職の抜きんでたストレスの高さや疲労の強さは、比較的安定した労働体系が確保されていると思われている公務員においても顕著です。

 

国家公務員のストレス等による労災認定件数(2014年・精神疾患等)は全体で10件ほどですが、そのうち約半数の4件を医療職が占めています。

 

これは国家公務員の職員構成を考えると、とても異常であることがわかります。

 

国家公務員全体の人数(25万5277人)に対して、医療職が占める割合はわずか1%(2764人)。

 

その1%にすぎない医療職が、労災認定では半数を占めるということは、公務員においてもいかに医療職が過酷な労働環境にあるかがうかがえるのではないでしょうか(2014年国家公務員給与実態調査より)。

 

過労死を防止しようと政府は医師や看護師によるメンタルチェック制度を導入するなど、様々な対策をスタートさせています。

 

ですが、健康を守るはずの医療職自身が過労で倒れては本末転倒。

 

まずは医療現場の労働環境を改善していくことが、急務なのではないでしょうか。

 

【ライター:横井 かずえ】
 

(参考)

「平成28年度版過労死等防止対策白書」(厚生労働省)

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