MRIの仕組み|いまさら聞けない!ナースの常識【10】

毎日の業務の中で触れているけど、『いまさら聞けない』ことってありませんか?

知ってるつもりで実は説明できない基礎知識や、ちょっと気になるけど調べるほどでもないな、なんてこと。

そんな看護師の素朴な疑問を、元看護師ライターがこっそり教えます。 

 


 

Vol.10 MRIの仕組み

MRIは腫瘍性疾患や椎間板ヘルニアなど、CTに比べてより詳細な情報を得る場合に威力を発揮する。たとえば脳梗塞発症後3時間以内は、血栓溶解療法の適応か否かを判定するのに有効といわれる。一方で検査時間が少々長いため、患者さんの状況によって検査可能かどうかも変わる。

看護師がMRI画像を完璧に読める必要はないが、その画像がどこを撮影したもので、何を見ようとしているのかは掴んでおきたい。

 

 

MRIの画像ができる仕組み

CTとMRIとの一番の違いは、MRIは放射線を使わない点。

人の体内にある水素の原子核は、いつもはバラバラな方向を向いている。ここにある一定の磁気を当てると、共鳴して一斉に一定の方向に向く性質を利用するのがMRI画像撮影装置だ。水素の原子核は方向転換する時に微弱な電波を出すので、MRI画像撮影装置はこれをキャッチし、その緩急を読み取ることで、骨や水分などを判断して画像化する。これを何度か繰り返すため、CTよりも時間がかかるのだ。

【看護roo!】看護師専用Webマガジン ステキナース研究所 | いまさら聞けない!ナースの常識【10】MRIの仕組み

図1 MRIにおける水素原子からの微弱電波発生の仕組み

 

 

MRI画像は撮影条件によって画像が違う

病院で良く見かけるMRI画像はいくつかの種類がある。

それぞれの特徴を簡単にまとめると、

  1. T1強調画像(以下T1):水は黒く、脂肪・造影剤は白く見えるので解剖学的構造が分かりやすい
  2. T2強調画像(以下T2):水が多い部分が白く、出血は黒く見えるため急性期の病変が分かりやすい
  3. FLAIR画像:病変部位の水分だけを強調
  4. 拡散強調画像:本来あるはずの水の動きが止まった部分を強調=梗塞の急性期診断に有効
  5. MR血管撮影:血管だけを抽出するので、血管自体の閉塞や新生血管が分かる

 

例えば、脳梗塞の急性期はT1、T2、FLAIR、拡散強調画像まで並べて見ると、梗塞部位が明確に分かる。しかし発症後数時間のCTではここまでは分からない。他にも椎間板ヘルニアの場合、T1とT2を並べるとヘルニアの程度(飛び出し度)が分かりやすい。

 

 

画像を見るときのポイントいくつか

脳と脊椎の画像は、正常と異常が比較しやすいと思う。

 

:横スライス(水平断面)の場合、基本は左右対称、不対象な部分には何かしらの異常があると考えてみるが、全く同じ形に見えても撮影方法が違うと違う姿が見えてくるのがCTとは違うところ。

T1:より鮮明なCT画像のような感じ。

T2:T1画像と比較すると、白と黒が反転して見える。

FLAIR画像:脳実質の写り方や、骨が真っ白に見えるが、鮮明さはCTに近い感じ。

拡散強調画像:骨や硬膜は写らず、脳実質だけがぼんやり見える。

MR血管撮影:上記4つとは違い血管の走行が分かる。本来あるはずの血管が写っていなければ梗塞などで血流が途絶えたと考える。

脳梗塞の急性期はT1、T2だけでは分かりにくいが、FLAIR画像まで見ると大体分かる。

 

脊椎:ヘルニアの診断では、縦スライス(矢状断面)で見ることが多い。通常は向かって左が腹側、右が背側。大体中央あたりに縦に長方形が積み重なって見えるのが、脊椎(椎体の断面)。脊椎はまっすぐではないが、頸椎は「<」、胸椎は「>」、腰椎は「<」の方向にゆるやかにカーブしている。

T1:骨はやや白く、椎間板はやや黒く見える。これらが整列した(整列していなければそこは異常)すぐ右側に、黒っぽく管状に見えるのが髄液・脊髄が入っている脊椎管。さらに右側には棘突起がある。

T2:骨や椎間板は、T1よりも若干暗く、脊髄は、髄液が反応して真っ白に、脊髄はややグレーに見える。

例えば椎間板が脊髄を圧迫する椎間板ヘルニアの場合、明らかに脊椎管が細かったり白い髄液が途絶えている箇所があったら、そこがヘルニアか?と考える。

 

慣れるまでは1種類の画像だけを見ても分かりにくいが、見慣れるとT2、FLAIR画像、拡散強調画像だけでも大体は分かってくる。まずは機会があれば脳か脊椎を眺めてみると分かりやすい。

 

【岡部美由紀】

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