ナースのお悩み処方箋【3】私ばっかり辛いのはなぜ?

「他人は変えられない。でも、自分は変えられる」



 相手のためを思って、一所懸命に指導しているのに、のらりくらりと言い訳ばかりの患者さん。
 こっちがいっぱいいっぱいなのに、あれお願い、これお願いと、仕事を押し付けてくる同僚看護師。
 いまいち仕事ができないくせに、口だけは達者な後輩看護師。
 家に帰れば、仕事に理解のない家族・恋人。

 なんで私ばっかり!!

 ――こんな風にブチギレ寸前のお疲れナースは多いようです。

 でも、所詮、他人は他人。
 あなたが相手のために頑張って何か言ったところで、変わりっこないんです。
 

看護師専用Webマガジン ステキナース研究所 | ナースのお悩み処方箋3



「あなたのこういうところ嫌い。直して!」
 そう言われて、「わかった。今から直す」なんて返事、できますか?

 たとえ自分が悪いってわかってても、指摘されると、何だか嫌な感じになりませんか?
 つい「わかってるんだけど~」と、言い訳をしてしまいませんか?

 それと同じことなんです。
 けれど、それで当たり前なんです。

 誰しも無理やり自分を変えられることに抵抗を覚えるもの。
 そう考えると、あなたが誰かを変えようとしていくら頑張っても、それはただの『お節介』。
 それが相手のためであろうとなかろうと、無駄な努力なんです。
 どうやったって変わりっこないんですから。

 だったら、あなた自身が変わってみるのはどうでしょう?

 自分で自分を変えるのは、そう難しいものではないんです。
 少しだけ考えを変えるだけで、自分自身の行動はかなり変わるものですから。

 冒頭の言葉は本で読んだ言葉ですが、人間関係に悩んでいたどん底で、とりあえず試してみようと思ったのです。

 手始めにやったことは、否定的な言葉を言われてもムッとした顔をしないこと。
 相手のためを思って伝えた言葉だからこそ、やってみもしない内に嫌な顔をして「できないよ」と言われりゃ腹も立つというものです。
 でも、腹が立つのは相手も同じ。
 だから「なるべく指摘は柔らかい言葉を使う」ことと、「できないと言われても嫌な態度を取らない」という二つだけを心がけてみました。

 本当はもっと色々やってみれば良かったのかもしれないけれど、あまり欲張りすぎてもいいことはありませんしね。

 やってみて、最初の1・2ヶ月は何の変化もありませんでした。
 けれど、私の態度が変わってきたことが少しずつ浸透してゆくにつれて、周囲の態度も少しずつ変わってきました。

 他人は自分の鏡と言います。
 あなたが変われば、その変化に応じて、周囲も少しずつ変わってきます。

 即効性はありません。
 でも、それがいいのかもしれません。
 劇的な変化を起こしたところで、いつまた劇的な変化を起こして元に戻ってしまうかわからないのですから。

 相手にストレスをかけず、じわじわと環境を良くしてゆく……。

 そんな起爆剤になれたらいいですね。

 

 


 【岡田久美】 兵庫県出身。看護書籍の編集とゲームシナリオライターを本業に、フリーの看護師として活躍中。いつでもどこでもどんなところでも勤務できるオールマイティな看護師を目指し、これまでの勤務職場は病院、クリニックなど30以上。

著書に「看護師の流した涙」(ぶんか社)がある。

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