看護師が提案!患者さんが『男の涙』を流す『病室でのデート』とは?
入院生活を少しでも快適に、そして少しでも家にいるときと同じように過ごしてくれたら……。患者さんのことを考えるとき、多くの看護師がそう思うことでしょう。アメリカのある大学病院に、そんな思いを形にして叶えた看護師がいます。

落ち込む患者さんに贈る『デートナイト』とは
ストーニーブルック大学病院の看護師、マギー・ナイトさんは、白血病やリンパ腫のために骨髄移植を受ける患者さんの世話をしています。そんな日々のなか、親しくしていた1人の患者さんが入院生活によってどんどん落ち込んでいくのを見て、マギーさんはある考えを思いつきました。
「少しでも家にいるかのような居心地の良さを感じてもらえたら……。じゃあ、"デートナイト"はどうかしら?」。
デートナイトとは、カップルが少しおしゃれをしてレストランへディナーに出かけるデートのこと。マギーさんはこのアイデアで患者さんを喜ばせようと、あるプランを立てたのです。
病室でのロマンチックなディナーを演出
マギーさんは患者さんの奥さんと話し合い、サプライズのディナーを用意することに。それは、夫婦が好きだったレストランから食事を取り寄せるというもので、音楽、デコレーションとともに完璧なデートナイトを演出しました。患者さんが喜んだ姿を見て、マギーさんも涙を流したといいます。久しぶりに一緒にディナーを楽しんだ2人も幸せだったことでしょう。
マギーさんの粋な計らいは、ほかのスタッフにも影響を与えたようです。同僚の看護師たちは、自分たちでお金を出し合い、これまでに5名の患者さんたちを驚かせてきたといいます。サプライズを受けた患者さんたちからは喜びの声が聞こえてきているとか。マギーさんは「大人の男の涙」をたくさん見たそうです。
がんと闘っていることを忘れられる
リンパ腫を患う夫を持つメグ・ピアースさんは、デートナイトについてこう語ります。
「患者たちはあのデートの間、がんがない普通の状態に戻ったような気持ちになれるのです。夕食を囲んで話しながら静かに過ごすだけですが、それは私たちがしたくてもできなかったこと。今までの入院生活を一時でも忘れさせてくれる時間でした」
入院生活では多くの悩みや不安、さまざまな出来事があり、患者さんは少しずつ家にいるときの自分の姿を忘れてしまうのかもしれません。ところが、入院中はあまり元気がなかった患者さんの多くが、退院してから見違えるように晴れ晴れとした顔になります。
とはいえ、入院しても、退院しても、病気が完治しない限り、患者さんの頭の隅にはいつも病気のことがあると思います。闘病生活は決して楽なものではありませんが、つかの間でも病気のことを忘れ、リラックスしてもらえる時間を作っていきたいものです。患者さんの生活が少しでも豊かなものになるように。
文:Rio, S.
(参考)
Nurses Play Cupid, Give Cancer Patients Romantic Dinners
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