新人ナースの薬剤事故は経験者の2倍?特に注意すべきミスは「与薬」「ドレーンチューブ」

 

国による「新人看護職員研修ガイドライン」が策定されるなど、医療安全への意識が高まっています。こうした中、医療事故情報の収集をしている医療機能評価機構では、看護師経験1年未満の新人の医療事故の傾向を分析し、発表しました。それによれば、新人看護師は経験者より薬剤事故が2倍、特に「投与方法間違い」は3倍、「投与速度速過ぎ」は2倍多く発生していることがわかりました。

 

(参考)あなたのレベルはどれくらい?新人看護師が1年間で習得すべき技術のガイドライン(2014年10月22日)

 

2010年1月~14年6月の間に報告された、経験1年未満の看護師・准看護師の報告事例は518件。内訳は、「療養上の世話」が最も多く300件(58.9%)、次に「薬剤」80件(15.4%)、「ドレーン・チューブ」59件(11・4%)の順でした。

 

ちなみに経験1年以上の看護師・准看護師でも、同じく「療養上の世話」が64.6%と6割以上を占めていて、次に「ドレーン ・ チューブ」が8.7%、「薬剤」7.8%となっています。

 

これをみると、経験1年以上では「薬剤」事故が7.9%に対して、1年未満では15.4%と2倍近いことがわかります。同様に、「ドレーン・チューブ」についても1年未満の方が割合が高くなっています。

 

新人による事故報告が多い時期にも傾向があります。入職数ヶ月は指導を受けながら業務をしていて、フォロー体制が組まれ、目も行き届いているため、医療事故の報告は多くありません。これが、2ヶ月ごろから徐々に増えてき、6ヶ月以降は、毎月60件前後の報告に上ります。

 

薬剤事故は3か月、ドレーン・チューブは半年以降が要注意!

また、新人に多い事故報告には特徴があります。「薬剤」「ドレーン・チューブ」や「療養上の世話」は1人で行うことが多いためか、早い時期から事故が起きているようです。「薬剤」は、1か月目から報告があり、3ヶ月で大きく増えます。「ドレーン・チューブ」は経験0ヶ月である4月時点から報告があり、特に経験半年を過ぎたあたりで多くなっています。

 

薬剤事故の内容は、経験1年未満では、「与薬」が73件(91・3%)と多く、次に「与薬準備」が5件(6.3%)でした。「処方」や「調剤」の事例は少なく、「製剤管理」は0という結果になっています。

 

経験1年以上でも、「与薬」が最も多いのは同じで77.6%でした。しかし、1年未満の91%と比較すると、1年以上看護師の与薬事故の割合は低くなっています。反対に、1年以上の看護師では、「与薬準備」が12.4%と高い傾向がありました。

 

「投与方法間違い」は3倍、「投与速度速過ぎ」は2倍

さらに「与薬」の事故内容でも、1年未満の看護師では、「過剰投与」と「投与速度速すぎ」がそれぞれ11件(13・8%)と多くなっています。次に「患者間違い」と「投与方法間違い」がそれぞれ9件(11・3%)、「無投薬」が8件(10.0%)でした。これに対して経験1年以上では、「過剰投与」が15.6%と最も多く、次に「患者間違い」8.1%、「無投薬」が6.3%、「投与速度速すぎ」が6・1%となっています。

 

「投与方法間違い」以外、上位の項目はどちらもほぼ同じですが、経験1年未満では、1年以上より「投与方法間違い」の割合が約3倍、「投与方速度速すぎ」が約2倍多い結果となりました。

 

「何のために投与するのか」考える習慣づけを

また「与薬」の中でも、経験1年未満は、「末梢静脈点滴」の事故25件(31.3%)と最も多く、次に「内服」が18件(22.5%)、「静脈注射」が14件(17.5%)でした。

 

一方で、経験1年以上では、「内服」が21.9%と最も多く、次いで「末梢静脈点滴」17.2%、「静脈注射」16.7%です。上位3つは同じですが、1年未満では「末梢静脈点滴」が多いのに対して、1年以上では「内服」が多いようです。

 

看護師の仕事は一時も手を止めることなく、一方では点滴速度を確認しながら、一方では療養の世話をするなど、同時並行でいくつものことをこなさなければなりません。そのため、どうしても注意が散漫になりがちというリスクがあります。

 

評価機構ではこうしたミスを防ぐために、

  • ▼「薬剤」であれば、機械動作で投与するのではなく「なんのために投与するのか」を常に考えるくせをつける
  • ▼「何分後に〇〇を確認」するのなら、タイマーを使うなどして他の業務をしながらでも時間を忘れない工夫をする

――などの対策が有効としています。

 

(参照)医療機能評価機構・第38回報告書

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