最終更新日 2018/04/18

虚血

虚血とは・・・

虚血(きょけつ、ischemia)とは、臓器や組織に必要量の血液が流入しない状態を指す。

組織の細胞は血液が運搬した酸素を取り込み、主に好気性代謝(酸素を使用する代謝)によってエネルギーを産生して機能している。低酸素では細胞は嫌気性代謝(酸素を使用しない代謝)を行い乳酸などの嫌気性代謝産物が蓄積するが、虚血では血流が低下し嫌気性代謝によるエネルギーの産生もできなくなるため、低酸素よりも速やかに細胞が壊死し、組織は機能低下に陥る。

【症状】
虚血の起こる臓器によって症状はさまざまであり、心筋虚血や虚血がその代表的なものである。
■心筋虚血
心筋虚血は、心筋に血液を供給している冠動脈動脈硬化血栓などで狭くなったり閉塞したりして心筋に血液を供給できなくなることによって起こる。主な症状は胸痛であり、心筋の機能不全として心拍出量の低下や不整脈が起こる。一定時間以内にカテーテルなどで閉塞した冠動脈を再開通することが重要である。
■脳虚血
脳虚血も同様に脳動脈が閉塞することによって起こる。閉塞する場所によって症状は異なるが、典型的には支配領域の麻痺や感覚障害が起こる。全脳虚血の場合は意識を失う。また、虚血に陥った組織は再灌流によってさまざまな毒性物質を産生し、二次的な障害を起こすことが知られている。そのため虚血時間が長い場合は特に、再灌流時にも注意が必要である。

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