最終更新日 2019/07/04

静脈瘤

静脈瘤とは・・・

静脈瘤(じょうみゃくりゅう、varix)とは、静脈の数が増えて迂曲し、内腔が拡張した状態のことである。
通常、静脈瘤というと下肢静脈瘤を指すため、以下は下肢静脈瘤を想定して記載する。

【原因】
表在静脈の弁不全を原因として、妊娠や長時間の立位などが誘因となって発症するものが多いが、先天奇形、深部静脈血栓症の側副血行路として発達する場合も原因になる。
静脈弁の機能不全があると、静脈血の逆流が静脈瘤形成の成因と考えられている。

【症状】
皮膚表面の静脈が太く長く膨らむため、美容上の問題を感じたり、だるさ、鈍痛、夜間のこむら返りなどが起きたりする。色素沈着、皮膚潰瘍なども観察される。

【検査・診断】
通常、視診である程度診断可能である。下肢超音波検査で静脈弁の機能不全が観察されることもある。

【治療】
保存的には弾性ストッキング着用による圧迫が行われる。大きいもの、疼痛や易疲労性が強いもの、下肢潰瘍や皮膚萎縮など慢性静脈血行不全にあるものには手術が行われ、伏在静脈を全長にわたって皮下で抜去する。他にはレーザーでの焼却も選択される。

【予防】
長時間の立位を避ける、足を上げて休息する、マッサージするなど、理学的な予防が行われる。


引用参考文献
1)杉本恒明ほか.内科学.朝倉書店.第8版,2007,599-600.(ISBN 9784254322316)

執筆: 小森大輝

順天堂大学大学院医学研究科 総合診療科学大学院生

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