最終更新日 2019/08/20

尿道炎

尿道炎とは・・・

尿道炎(にょうどうえん、urethritis)とは、膀胱から尿が排泄されるときに通る管である、尿道の感染症である。

【原因】
細菌、ウイルス、原虫などが原因となる。性行為によって感染するため、性感染症として発症することが多く、淋菌、クラミジア・トラコマチス、トリコモナス(特に男性)、単純ヘルペスウイルスなどがその代表的な原因微生物である。性感染症の場合、これらが複数同時に感染していることもある。

【症状】
排尿時の痛みや排尿困難頻尿、膿尿、尿道からの分泌物(粘液や膿、特に男性)が見られる。淋菌性では、排尿痛などの症状が強く出現し、感染してから症状が出るまで2~7日の潜伏期がある。クラミジア性では感染から1~3週間で発症するといわれるが、症状が軽いため、発症時期がはっきりしないこともある。単純ヘルペスの場合、痛みのある潰瘍や水疱が外尿道口付近にみられることがある。

【検査】
尿定性試験での白血球エステラーゼ陽性、尿グラム染色、尿培養検査、クラミジア・淋菌の核酸増幅検査などを行う。

【治療】
原因微生物に対する抗菌薬、抗ウイルス薬を投与する。性感染症としての拡大を防ぐため、感染経路の特定をし、パートナーの治療も同時に行うことや、コンドームの使用を指導するなどの方策も必要である。
 

執筆: 柳井真知

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター医長

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