最終更新日 2019/08/20

体外受精

体外受精とは・・・

体外受精(たいがいじゅせい、in vitro fertilization;IVF)とは、採取した卵子と精子を体外で受精させる生殖補助医療技術である。体外受精後に受精した胚を女性の子宮内に戻す(胚移植)ことで不妊治療が成立する。

不妊治療の初段階の生殖医療技術として人工授精(artificial insemination;AIH)が挙げられ、精子を腟及び子宮内に入れて受精を試みる方法であるが、それでも妊娠成立しない場合、年齢や原因を考慮しながらより高度な治療法へと進んでいく。その治療法の一つとして行われるのが、体外受精および胚移植である。

なお、顕微授精(Intracytoplasmic sperm injection;ICSI)は体外受精の関連技術の一つである。卵子に顕微鏡下の操作によって精子を注入または精子が入りやすくするための方法だが、受精障害に対する補助医療である。原因は精子側であることが多く、その際の最大の適応は乏精子症である。

【方法】
体外受精では受精までを人工的に行う。卵子の入った培養液に精子をふりかけて(媒精)、精子が自然と卵子の中に入っていくのを待ち、受精させる。その後、受精卵が順調に発育し胚盤胞まで培養されていくのを確認し、胚を子宮腔内に戻す。

【適応】
日本産婦人科学会のガイドラインには、体外受精の適応について、“本法はこれ以外の治療によって妊娠の可能性がないか極めて低いと判断されるもの、および本法を実施することが、被実施者またはその出生児に有益であると判断されるものを対象とする”と規定されている。このことから、日本産婦人科医会は、以下の状況において体外受精が適応となると定めている。

体外受精後の許容される移植胚の数については、多胎妊娠に伴う周産期合併症やリスクを鑑みて、日本産科婦人科学会の倫理委員会による「生殖補助医療における多胎妊娠防止に関する見解」においては、移植する胚は原則として1個としている。「35歳以上の女性」、または「2回以上続けて妊娠不成立であった女性」などについては、2個の胚移植を許容される場合もある。(2019年7月現在)

【体外受精-胚移植の適応】 
・卵管性不妊症(卵管の何らかの原因による不妊)
・男性不妊症(精子奇形症、精子無力症、乏精子症など)
・免疫性不妊症 (精子不動化抗体強陽性)
・原因不明不妊症 など

【身体的負担】
体外受精に伴う排卵誘発薬の副作用としては、卵巣刺激による卵巣過剰刺激症候群(ovarian hyperstimulation syndrome;OHSS)やホルモンバランスの変化による倦怠感、ふらつき、頭痛などが見られることがある。

 

引用参考文献
1)栗林 靖、杉山力一.“11.生殖補助医療(ART)” .日本産婦人科医会.
2)吉村泰典、星合 昊.“生殖補助医療における多胎妊娠防止に関する見解”.日本産科婦人科学会.

執筆: 畑 菜摘

兵庫県立尼崎総合医療センター ER総合診療科 救命救急センター

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