1. 看護roo!>
  2. 看護・ケア>
  3. 聴診スキル講座>
  4. 聴診器の仕組み|聴診スキル講座

2016年03月11日

聴診器の仕組み|基礎編(1)

聴診器を使用する際のコツや、疾患ごとの聴診音のポイントについて、呼吸器内科専門医が解説します。
構成は、聴診器の使い方から呼吸器の構造を解説した【基礎編】と、疾患の解説と筆者が臨床で遭遇した症例の聴診音を解説した【実践編】の2部に分かれています。基礎編は全8回にまとめましたので、初学者はまずはここからスタートしてください。

第1回目は、「聴診器の仕組み」についてのお話です。

 

皿谷 健
(杏林大学医学部付属病院呼吸器内科准教授)

 

普段、外来や病棟で患者さんに聴診器を使っていると思うけど、聴診器はちゃんと使いこなせていますか?

はい。聴診って、音を聴けば良いだけだから簡単ですよね。
聴診器を使っていると、医療従事者って実感が湧きます。

とんでもない! 聴診はバイタルサインを確認する上でとても大切だし、聴診で気付く病気もあるぐらい重要な医療行為なんですよ。

え! そんなに大事なことだったんですか!?

学校ではあんまり習わないからわからないかもね。
でも、臨床現場ではとても大切なことだから、一人前の看護師になるためには、ちゃんとマスターして欲しいですね。
まずは、聴診器の基本的な仕組みから見ていきましょう。

 

〈目次〉

 

聴診器の構造

聴診器は3つの部分からできている

聴診器は、患者さんの体内で発生する音を聴いて診察や、患者さんの状態を把握するための医療器具です。聴診器の構造は、チェストピース、チューブ(導管)、管部の3つの部分からできています(図1)。チューブが「太く」「硬い」もののほうが、雑音が入らず、呼吸音が伝わりやすくなります。

図1一般的な聴診器の構造

一般的な聴診器の構造

 

チェストピースにはベル型と膜型がある

チェストピースの形状には、ベル型(ベル面)と膜型(ダイヤフラム面)の2種類があり(図2図3)、形も全く違います。

図2チェストピースの形状の比較

チェストピースの形状の比較

 

図3チェストピースの内部構造

チェストピースの内部構造

 

ベル型の面では低音を、膜型の面では高音を聴取します。それぞれの面で聴取できる音が異なるため、聴取したい音に合わせて、使用する聴診器の面を選択しましょう。

 

 

聴診器の面の使い分け方

聴診器にはベル型と膜型の面がありますが、聴診したい部位によって使用する面を使い分ける必要があります。

 

呼吸音の聴診では膜型を使用する

呼吸音には正常音と異常音(ラ音)がありますが、呼吸音を聴診する場合は、聴診器の膜型を使用します。高齢で痩せている患者さんには、チェストピースが大きすぎて胸壁にフィットしない場合がありますが、その場合には小児用の小さな聴診器を使用すると良いでしょう。

 

心音の聴診では膜型とベル型を使い分ける

心音を聴診する場合は、聴診器の膜型でⅠ音とII音を、ベル型で低調性雑音の過剰心音(III音、IV音)を聴取します。呼吸音の聴診では膜型しか使用しませんでしたが、心音の場合は膜型、ベル型ともに使用します。

 

memo技術的に進歩した電子聴診器

聴診器には、一般的な聴診器のほかに、電子聴診器と呼ばれるものもあります(図4)。なお、聴診の行い方は、聴診器が異なっても同じです。

図4筆者が使用している電子聴診器

筆者が使用している電子聴診器

 

機種によっては、液晶の表示があったり、BluetoothTMでパソコンとリアルタイムで聴診音のデータ通信が可能なものもあります。また、パソコン上で、聴診音を録音・保存・再生などもできます。

 

Check Point

  • 聴診器は体内の音を聴くための医療器具で、チェストピース、チューブ、耳管部の3つからできている。
  • 呼吸音を聴く際は、膜型のみを使用する。
  • 心音を聴く際は、Ⅰ音とⅡ音は膜型で、過剰心音(Ⅲ音・Ⅳ音など)はベル型を使用する。

 

〈次回〉

聴診器の使い方|基礎編(2)

 

 


[執筆者]
皿谷 健
杏林大学医学部付属病院呼吸器内科講師

[監 修](50音順)
喜舎場朝雄
沖縄県立中部病院呼吸器内科部長
工藤翔二
公益財団法人結核予防会理事長、日本医科大学名誉教授、肺音(呼吸音)研究会会長
滝澤 始
杏林大学医学部付属病院呼吸器内科教授


Illustration:田中博志

Photo:kuma*


協力:翼工業株式会社


著作権について

この連載

  • 気道と肺の構造|基礎編(3) [03/29up]

    聴診器を使用する際のコツや、疾患ごとの聴診音のポイントについて、呼吸器内科専門医が解説します。 構成は、聴診器の使い方から呼吸器の構造を解説した【基礎編】と、疾患の解説と筆者が臨床で遭遇した症例の聴診音を解説した【実践編】の2部に... [ 記事を読む ]

  • 聴診器の使い方|基礎編(2) [03/22up]

    聴診器を使用する際のコツや、疾患ごとの聴診音のポイントについて、呼吸器内科専門医が解説します。 構成は、聴診器の使い方から呼吸器の構造を解説した【基礎編】と、疾患の解説と筆者が臨床で遭遇した症例の聴診音を解説した【実践編】の2部に... [ 記事を読む ]

  • 聴診器の仕組み|基礎編(1) [03/11up]

    聴診器を使用する際のコツや、疾患ごとの聴診音のポイントについて、呼吸器内科専門医が解説します。 構成は、聴診器の使い方から呼吸器の構造を解説した【基礎編】と、疾患の解説と筆者が臨床で遭遇した症例の聴診音を解説した【実践編】の2部に...

  • 呼吸音の分析に役立つ聴診アプリ [06/28up]

    聴診器を使用する際のコツや、疾患ごとの聴診音のポイントについて、呼吸器内科専門医が解説している『聴診スキル講座』ですが、ここでちょっと一息。 ここでは、本編とは別に、聴診に関する豆知識やグッズを紹介します。 コラムの第1話は... [ 記事を読む ]

  • 総目次:聴診スキル講座 [03/11up]

      はじめに 学校でも詳しく教えてもらえない聴診について、聴診器を使用する際のコツや、疾患ごとの聴診音のポイントについて、呼吸器内科専門医が解説します。 『聴診スキル講座』の大きな特徴は、実際の疾患の聴診音が聴... [ 記事を読む ]

もっと見る

関連記事

いちおし記事

【マンガ】それでも看護をする理由~Case.2 みお~(7)

「プリが悪い」「新人が悪い」「先輩が悪い」で終わりでいい? 指導をめぐるさまざまな立場の想い。 [ 記事を読む ]

胃瘻に関する基礎知識

胃瘻の目的や禁忌をわかりやすく解説! [ 記事を読む ]

人気トピック

もっと見る

看護師みんなのアンケート

payサービス使ってる?

投票数:
1805
実施期間:
2019年08月30日 2019年09月20日

あなたのハマっている沼は何?

投票数:
1351
実施期間:
2019年09月03日 2019年09月24日

旅行のおすすめスポットある?

投票数:
1243
実施期間:
2019年09月06日 2019年09月27日

学生時代の実習、国試勉強との両立はうまくできた?

投票数:
1113
実施期間:
2019年09月10日 2019年10月01日

SNSで嫌な気分になったことある?

投票数:
1015
実施期間:
2019年09月13日 2019年10月04日

ナースの現場、気が利くで賞!

投票数:
676
実施期間:
2019年09月17日 2019年10月15日
もっと見る

今日の看護クイズ 挑戦者4067

簡易血糖測定の方法について、正しい方法は、次のうちどれでしょう。

  • 1.簡易血糖測定には、主に静脈からの採血を用いて測定する。
  • 2.使用する血液の量は、直径2mmの半球程度の量でよい。
  • 3.医療従事者が患者さんの耳朶から血液を採取する際は、穿刺部位の安定を図るため、耳朶の裏に指を当てて、しっかり固定した上で穿刺する。
  • 4.血液が十分に採取できない場合は、穿刺部位を絞り出して採取する必要がある。
今日のクイズに挑戦!