骨髄穿刺とは
『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』(インターメディカ)より転載。一部改変。
今回は骨髄穿刺について解説します。
風間 敏子
元 難病子ども支援全国ネットワーク電話相談室
骨髄穿刺は、強い痛みを伴う侵襲の大きな検査である。血液疾患では繰り返し行うため、恐怖や不安を最小限にするよう配慮する。
患児・家族には年齢に合った説明を行う。
局所麻酔や鎮静薬を使用する場合は、必ず、酸素吸入を準備し、呼吸・脈拍モニター、パルスオキシメーターの管理下で実施する。
骨髄穿刺の目的
- 1再生不良性貧血、造血不全症、白血病、悪性リンパ腫、骨髄異形成症候群などの造血器腫瘍や、血球貪食症候群などの診断。
- 2先天性代謝異常症の診断。
- 3固形腫瘍の骨髄転移の確認、白血病などの治療効果の判定。
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骨髄穿刺とは
骨髄液を採取して、造血機能を検査する
骨髄は骨の組織に囲まれたスポンジ様の軟部組織である(図1)。ここで血液細胞が作られ、末梢循環へ供給される。
図1 骨髄
乳児期には長管骨・扁平骨の両方に骨髄があるが、成長とともに減少し、思春期には胸骨・骨盤骨・頭蓋骨・椎骨などだけに存在する。
骨髄穿刺は骨髄液を採取し、細胞数や細胞形態を検査して、造血機能の情報を得ることで、血液疾患や悪性腫瘍の診断、治療効果の判定に役立てる(図2)。
図2 骨髄液の判定
骨髄穿刺は、発達に応じて穿刺部位が選択される(表1)。
表1 穿刺部位
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本連載は株式会社インターメディカの提供により掲載しています。
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[出典] 『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』 監修 山元恵子/編著 佐々木祥子/2022年7月刊行/ インターメディカ