小児の腰椎穿刺の基本
『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』(インターメディカ)より転載。一部改変。
今回は小児の腰椎穿刺の基本について解説します。
風間 敏子
元 難病子ども支援全国ネットワーク電話相談室
腰椎穿刺とは
患児を左側臥位にし、背面が常に垂直になるよう固定。
穿刺および検体採取は、無菌操作で行う。頭部を屈曲しているため、呼吸状態(チアノーゼなど)に注意する。
髄液採取後は、頭部を水平にして1~2時間、仰臥位で安静を保つことが大切である。
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髄液採取
第4腰椎以下の脊椎間を穿刺して、髄液採取
髄液は脳室の脈絡叢から産出され、クモ膜下腔を循環して静脈内に吸収される。髄液の性状や成分、髄圧を検査することは、神経疾患の診断・治療に不可欠である。
小児では中枢神経系の感染症が多いため、重要な検査である。髄液の採取部位は図1のとおり。
図1 髄液の採取部位
小児は脊髄下端が低いため、穿刺は第4腰椎以下の脊椎間で行う。
安全に髄液を採取するには、穿刺部の椎間が開くよう、また脊椎が処置台に水平で、ヤコビー線に対して垂直になるよう体位を固定する(図2)。
図2 ヤコビー線に対し垂直に体位を固定する
POINT
■穿刺は第4腰椎以下の脊椎間で行う。
■穿刺部の椎間が開くように、背中を丸める。
■脊椎は処置台に水平、ヤコビー線に垂直。
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腰椎穿刺の基本
穿刺の成功は、患児の体位固定で決まる
- 1患児の年齢に合わせた説明を行い、協力を得る。
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- 2患児を左側臥位にする。
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- 3患児が臍をのぞき込むように頸部と両膝を曲げ、腰椎棘突起の間隔が拡大するよう固定する。
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- 4患児の腹部前方に介助者の右腕を入れ、これを支柱にして固定。えびぞりにならないようにする。
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- 5処置台の端に患児の背中がくるよう、背面が常に垂直になるよう固定する。
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- 6穿刺部位を中心に、広範囲に消毒する。
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- 7穿刺中は、患児に声をかけて呼吸状態・皮膚色を観察する。
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- 8髄液採取後は、頭部を水平にして1~2時間仰臥位で安静にする。
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本連載は株式会社インターメディカの提供により掲載しています。
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[出典] 『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』 監修 山元恵子/編著 佐々木祥子/2022年7月刊行/ インターメディカ