消化管ストーマの場合,排泄の方法はどのように変わるの?

『ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95』より転載。
今回は、消化管ストーマの場合の排泄方法について解説します。

 

消化管ストーマの場合,排泄の方法はどのように変わるの?

 

消化管ストーマの多くは失禁型(非制御型)ストーマであり,ストーマ装具の装着が必要になります.
排泄方法には,自然排便法と灌注排便法がありますが,自然排便法で管理しているオストメイトが大多数を占めます.

 

解説

直腸の働きには,便をためる働き(蓄便),便をしたいという感覚(便意)や我慢する働き,そして便を出す働き(排便)があります.しかし,ストーマには直腸のような蓄便機能はないので,消化吸収されるたび,自分の意識とは無関係に便が排泄されます.よって,失禁型ストーマになります.

 

失禁型ストーマの排泄方法としては,自然排便法と灌注排便法があります.自然排便法は自然に任せる方法で,ストーマ装具を常時装着し,便が排泄されたときに処理する方法です(図1).

 

図1腹部にストーマ装具を貼っているところ

腹部にストーマ装具を貼っているところ

 

装具を交換する時期は,一般的に週2~3回になります.

 

灌注排便法は,下行結腸以下に造設されたコロストミーで行う強制排便法の一つです.ストーマから腸内に微温湯を入れて,浣腸のように強制的に便を排泄させる方法です(図2).

 

図2灌注排便法のイメージ

灌注排便法のイメージ

 

24~48時間排便が起こらなくなるので,ストーマ装具の装着が不要となりますが,主治医の許可が必要であり,手技をマスターする必要があります.下行結腸以下に造設されたストーマであっても,抗がん剤や放射線療法施行中には実施することができないため,入院中に指導することは少なくなっています.

 


[参考文献]

 

  • 1)日本ストーマリハビリテーション学会編.ストーマリハビリテーション学用語集.第2 版.金原出版,2003.
  • 2)西沢理監.泌尿器Nursing Note.改訂2 版.メディカ出版,2010,47─8.
  • 3)ストーマリハビリテーション講習会実行委員会編.ストーマリハビリテーション実践と理論.金原出版,2006.
  • 4)塚田邦夫ほか編.ストーマ手術アトラス.へるす出版,2002.
  • 5)伊藤美智子編.ストーマケア.学習研究社,2003,(Nursing Mook, 15).
  • 6)日本ET/WOC協会編.ストーマケア エキスパートの実践と技術.照林社,2007.
  • 7)原田俊子編.実践 尿路ストーマケア.ウロナーシング冬季増刊.メディカ出版,2000.

 


[Profile]
末平 智子 すえひら・ともこ
関西医科大学附属枚方病院看護部看護師長/皮膚・排泄ケア認定看護師

 

*所属は掲載時のものです。

 


本記事は株式会社メディカ出版の提供により掲載しています。

 

[出典]『ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95 病棟での困りごとがこれで解決!』(編著)菅井亜由美/2013年4月刊行

 

ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95 病棟での困りごとがこれで解決!

 

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