月齢別の気管チューブのサイズと固定位置のめやすは?|小児の人工呼吸管理

『人工呼吸ケアのすべてがわかる本』より転載。

 

今回は「月齢別の気管チューブのサイズと 固定位置」に関するQ&Aです。

 

三浦規雅
東京都立小児総合医療センターPICU主任

 

月齢別の気管チューブのサイズと固定位置のめやすは?

 

エアリークが得られる最も太いサイズを選択し、気管中部(第2・第3胸椎間)で固定します。

 

〈目次〉

 

気管チューブのサイズ

気道内圧を20~30cmHOとしたとき、気管チューブと声門の間から適度のエアリークが得られる最も太いサイズを選択する(表1)。

 

表1気管チューブサイズの簡易式

 

カフなし気管チューブサイズ チューブ内径(mm)=(年齢/4)+4
カフ付き気管チューブサイズ チューブ内径(mm)=(年齢/4)+3.5

 

Broselow Tape(ブラスローテープ)を用いた身長から選択する方法は簡便で信頼性も高い(図1)。

 

図1Broselow Tapeを用いる方法

 


 

気管挿管時は、上記から推測した適正サイズに加えて、前後0.5mmのサイズを用意し、気管挿管後のエアリークの程度により、適正なサイズにすみやかに調整できるようにする。

 

気管チューブ固定位置のめやす

気管チューブの固定位置のめやすを図2に示した。

 

図2気管チューブの固定位置のめやす

 

気管チューブ固定の適正位置は、中立位で気管中部(第2・第3胸椎間)である。胸部単純X線で位置を確認し、通常5mm刻みで挿入長を調整する。

 

カフ付き気管チューブも挿入長は同様であるが、カフが確実に声帯を越えていることを目視で確認する(表2表3)。

 

表2気管チューブ挿入長の簡易式

 

表3小児用気管チューブ(国立成育医療研究センター)

 


[文献]

  • (1)宮坂勝之訳・編:日本版PALSスタディガイド.エルゼビア・ジャパン,東京,2008:124-145/60-64.
  • (2)American Heart Association:PALSプロバイダーマニュアル AHAガイドライン2010準拠.シナジー,東京,2013:64.
  • (3)黒澤寛史:気管チューブによる気道確保.救急・集中治療2010;22:303-310.
  • (4)Lerman J,Coté CJ,Steward DJ著,宮坂勝之,山下正夫訳:小児麻酔マニュアル改訂第6版.克誠堂出版,東京,2012:82/26-27.
  • (5)椎間優子,宮坂勝之:マスク・バッグ換気.救急・集中治療2010;22:297-302.
  • (6)日本救急医療財団心肺蘇生法委員会監修:救急蘇生法の指針2010医療従事者用.へるす出版,東京,2012.
  • (7)多田昌弘:酸素療法.救急・集中治療2010;22:287-291.
  • (8)日本呼吸療法医学会:気管吸引ガイドライン2013(成人で人工気道を有する患者のための).人工呼吸2013;30:75-91.

 


本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新・人工呼吸ケアのすべてがわかる本』 (編集)道又元裕/2016年1月刊行/ 照林社

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