口腔ケアを行うためにケア用品を選ぶのはなぜ?|清潔援助

 

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。

 

今回は口腔ケア用品に関するQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

口腔ケアを行うためにケア用品を選ぶのはなぜ?

一般症状や口腔内の状態は、患者によって異なります。適切な口腔ケアを行うためには、患者の状態を観察し、最もふさわしい物品を選択する必要があります。

 

ケア用品には、ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロス(歯間掃除用の糸)などがあります。肢体不自由者、高齢者、小児などは、電動歯ブラシを使用すると自分でブラッシングできる場合もあります。

 

また、全身状態が悪化して口を開き続けることが困難な場合や疲労が激しい場合などは、巻綿子や綿棒を用いてナースが清拭を行うことも必要です。

 

気管内挿管をしている患者の口腔ケアは、特に重要です。口腔内の細菌がチューブのカフ上部に貯留し、下気道に流入することによって人工呼吸器関連肺炎(VAP)をひき起こす大きな原因になるからです。このような患者は、1日に5~6回の口腔ケアを行うのが理想的です。ケア中の誤嚥の危険性を少なくするために、チューブのカフ圧を40mmHg程度に高くし、ケアが終了したら元の圧(20mmHg程度)に戻します。

 

図1一般的な口腔ケア用品

一般的な口腔ケア用品

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

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