20~30mmHgほど高めに加圧するのはなぜ?|血圧測定

 

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。

 

今回は血圧測定時の加圧に関するQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

20~30mmHgほど高めに加圧するのはなぜ?

予想される収縮期血圧より20~30mmHgくらい高めに加圧するのは、上腕動脈の血流を完全に止めるためです。

 

これ以上極端に加圧しすぎると静脈がうっ血し、血圧が上昇してしまいます。

 

初めて血圧を測定する場合は、収縮期血圧の予測値が分からないため、触診法によって収縮期血圧を知るようにします。患者にマンシェットを巻き、橈骨動脈に3本の指を当てて加圧し、脈が触れなくなった時点の数値が収縮期血圧です。

 

カフのネジを緩めて少しずつ空気を出して圧迫を解いていくと、ある時点から血液が流れ始めます。この時、ほんのわずかしか開いていない狭い血管を血液が通る時に発する音をコロトコフあるいはスワンといいます。スワンの第1点が収縮期血圧になりますが、この時に聞こえてくる音は突然なので、予想される収縮期血圧よりやや高めに加圧しておくと聴き取りやすくなります。

 

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

SNSシェア

看護知識トップへ