鼓膜で体温を測定できるのはなぜ?
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は体温測定(耳内)に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
鼓膜で体温を測定できるのはなぜ?
耳式体温計は、鼓膜から放射されている赤外線の量を体温計のセンサーでキャッチし、体温計に組み込まれたマイクロコンピュータで計算することで体温を表示する仕組みになっているからです。
耳内(じない)は、鼓膜近くに内頸動脈が走行しているため、外界の温度に影響されにくい安定した中核温度を得ることができます。
耳から放射される赤外線をキャッチし、計算を行うのに要する時間は、わずか1秒です。むずかったり、動いたりして体温測定が難しい乳幼児や、るいそう(やせ)の激しい高齢者に向く測定方法といえます。
ただし、耳内と腋窩の温度関係は人によってまちまちで、腋窩温が高い人が耳内温も高いとはかぎりません。

※編集部注※
当記事は、2019年1月26日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版


