片麻痺患者は患側を下にした側臥位を避けたほうがよいのはなぜ?

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は麻痺による障害に関するQ&Aです。

 

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

麻痺患者は患側を下にした側臥位を避けたほうがよいのはなぜ?

 

麻痺側は、自動運動ができなかったり、循環障害があるために褥瘡ができやすいためです。

 

麻痺による障害は

片麻痺があると、身体の動きが妨げられ、その結果圧迫に対する適切な対応ができなくなります。また、麻痺に伴って血液の循環障害も起こります。そのような麻痺側を下にした側臥位をとれば、褥瘡の発生要因を増すことになります。

 

さらに、神経麻痺などによる知覚障害がある場合には、生体の防御反応が遮断されることにより、痛みの自覚がないため、とくに麻痺側を下にすることは避けなければなりません。そうしないと、褥瘡の予防の面からみて、発見が遅れてしまいます。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

SNSシェア

看護知識トップへ